https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24544700S7A211C1CC1000/

 

ペジー社関連会社に52億円融資、スパコン開発で  JST2017/12/12 19:17

 

 スーパーコンピューター開発ベンチャー「PEZY Computing」(ペジーコンピューティング、東京・千代田)による助成金詐取事件に関連し、林芳正文部科学相は12日の閣議後会見で、科学技術振興機構(JST)が同社の関連会社に52億円を融資していることを明らかにした。

 JSTによると、融資先はペジー社の関連会社で、スパコン開発を手掛ける「エクサスケーラー」(同)。融資事業に同社がスパコン「暁光(ぎょうこう)」の開発を提案し、1月に採択された。開発に失敗しても借入額の9割が返済不要となる仕組みで、最大60億円の融資枠のうち、既に52億円を貸しつけた。

 JSTは同社へのヒアリングを行い、融資継続や中止などの選択肢を含めて「慎重に検討する」としている。「暁光」は11月公表の世界スパコンランキングの計算速度部門で、国内1位になった。林文科相は「開発は着実に進んでいる。成果の重要性を踏まえ、適切に対応したい」と述べた。』

 

 結構なご身分ですね。

 普通の中小企業や個人事業主なら、金融機関から借り入れする場合、当然全額返済しなくてはならない。事業が失敗しても全額の返済を求められる。当たり前だ。経営者個人も連帯保証を求められる。さらに経営者以外の連帯保証人を求められることもある。事業が失敗すれば、経営者が自らの個人資産によって返済し、それが不可能ならば、下手をすると経営者個人まで破産しなくてはならない。

 

 JSTからの融資とやらは、事業に成功すれば返済する。失敗すれば1割しか返さなくてもいいそうだ。

 おそらく経営者個人の連帯保証などもないだろう。最悪、「失敗しちゃった」といって会社を破産させれば、1円も返さなくていいことになる。

 こんな貸付がこの世に存在するのか。

 森友への値引きぐらいの、破格の好待遇ではないか。

 

 ぺジー社長らの逮捕の後、このブログでは、ペジーについて、「何よりうさん臭さを感じたのが、社長以下役員の名前がHPにない。資本金はかなりの額だったが、主要株主についても開示がない。」としました。

 

 上記「エクサスケーラー」のHPです。

 http://www.exascaler.co.jp/company

 

 ご覧の通り、やはり社長以下、役員の名前が一切出ていません。やましいことがなければ、どうして自分たちの名前が出せないのでしょうか。

 さらに資本金は27億円余りとのこと。巨額です。並の個人に出せる金額ではありません。

 通常ならば、それなりの資金力のある会社、創業に成功した経営者、ベンチャーキャピタルなどが株主になっているはずだが、一切その名前が出ない。

 大企業や有名な創業者、ベンチャーキャピタルが株主ならば、むしろ「これら方々が当社の株主です」と明らかにすることで、会社の信頼性や成長可能性を示すことができるはずなのに、である。

 

 投資信託会社レオス・キャピタルワークスによると、Webサイトに社長や役員の顔写真を掲載している会社ほど、業績や株価が上昇しているそうだ。

 http://visual-shift.jp/detail_75.html


 真摯に経営に取り組み、何ら隠蔽することなく経営できている自信があれば、顔を出せる。何かやましいことがあれば、顔を出せない。そういうことのようである。

 ペジーもエクサスケーラーも、社長以下役員の名前すら出せないということ。

 

 東京地検の動向が注目されます。