昨日の続きです。
籠池の話が虚偽である可能性として残るのは、①他に100万円を匿名で寄付した者がおり、それを「安倍晋三からである」と言っている、②籠池自身のポケットマネー、あるいは森友学園自身の資金を自作自演で口座に振替入金した、の二通りである。
両方とも、あり得るとは思えない。
まず①の方。100万円もの寄付をするとすれば、よほど資産家で籠池の保守教育に共鳴した人、あるいは名誉校長安倍昭恵、推薦人平沼赳夫などと連なろうとして思い切った金額を拠出した人物ということになる。それなら匿名にする必要はない。大口の寄付をすることで、むしろ自分も保守系の著名人との関わりを作り、名前を売ろうとするだろう。
森友学園にとっても匿名ではややメリットが落ちる。大口の寄付があれば、最初にそれを掲げ、あるいはその事実を喧伝することで後に続く寄付する人々の気を大きくさせようとするのは、寄付やカンパ集めの常識である。
さらに、このような騒ぎになれば、「あの寄付は自分からだ」と言い出す可能性もないわけではない。第三者からの寄付というのはあり得ない。
最後に、森友学園によるまったくの自作自演説を検証する。
安倍昭恵が来訪した日時に合わせ、郵便局に自己資金を持ち込んだ。
何のために?こうなる事態を予期していた?
それなら、あんな無謀な学校建設などやらないだろう。
「瑞穂の國 記念小學院」の内部が公開されていた。立派な建物が完成間近、その中に広くて立派な理事長室がある。
籠池の頭の中は、小学校を無事開校し、安倍夫妻や保守系政治家や文化人の威光を振りかざして児童集め寄付金集めに成功し、産経新聞などの取材を受けて時の人となり、あの理事長室でふんぞり返る。そんな希望で一杯であったろう。
万一、トラブルになった場合に備えて「安倍総理から100万円の寄付をいただいております」と言いたいがために、安倍昭恵が来訪した土曜日の翌々日月曜日に100万円を郵便局に持ち込んだ。そんなことが思いつくなら、籠池はミステリー作家になっていただろう。
森友学園は、100万円の寄付を受けながら、その事実をこれまで明らかにしてこなかった。大口の寄付があった事実は、むしろ喧伝することでその後の寄付集めに有益であるはずなのに、である。
それは寄付者から内密にして欲しいという要望を受けたこと以外に考えられない。
政治家の裏金か官房機密費からの内密の支出か。
それを慮った籠池が内密にしてきたとしか考えにくい。