テレビも新聞も、多くのブログでもこの話題で持ちきりです。
 こちらでは、少し違う視点からこの歴史的出来事を論評します。

 レームダックという言葉がある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%80%E3%83%83%E3%82%AF

 米国大統領の任期は4年、憲法で3選が禁止されているわけで、2期目の任期末が近づくと大統領の指導力は低下すると言われる。
 「やめるとわかっている政治家の影響力は大きく低下する。そのため2期目終了が近づくと、議会などとの政治的取引を行う余力が消失し、政策運営ができなくなる。一般に、レームダック状態にある大統領の政権下では、あらゆる決定が先送りされ、行政府全体に無気力感が漂い、政治が停滞するとされている。よって、2期目の特に最初の2年が、再選した大統領が政治的影響力を発揮できる期間とされる。」

 確かに、「これからこうしていこう」、「来年以降、このような計画がある、ヴィジョンがある」と言えなくなるわけで、指導者としてやりにくいというのはわかる気がする。
 しかし逆に、「選挙を気にせず思いきったことができる」というメリットもあるように思える。次の選挙は気にしなくていい。支持率が下がったところで大統領をクビになるわけでもなければ法で保障された大統領の権限がなくなるわけでもない。それならば残った任期、悔いが残らないようにやりたいこと、思うことをやってみようというわけだ。
 
 昨今のオバマ大統領の言動を見ていると、そのような思いが感じられる。
 銃規制もそうだし、今回の広島訪問もそうである。

 もう一つ、今回の広島訪問にはアジアの核拡散をけん制する意味があったのではないか。
 オバマ大統領が広島訪問し、核軍縮、廃絶の演説をすれば、必ずその方向に世論が盛り上がる。現にそうなっている。
 日本の首相は憲法9条改定に血眼となり、その先には核装備も非現実的ではなくなっている。
 何も言わなくても、自分が広島に行けば、そんな目論見を粉砕できるのではないか。
 そんな深慮遠謀が感じられるのは筆者だけであろうか。 

 アベちゃん、君の夢は遠ざかっているのだよ。
 おバカちゃんは、横に立てて、有頂天になっているだけ。無邪気でいいですね。