先日の記事の続きです。
まだ書き足りない気がするので、もう少し続けます。
その中年ネトウヨの言葉、「日本から出て行けばよい」には、何がしかの優越感がにじみます。
「嫌なら出て行け」という言葉の裏には、「どうせ行くところはないだろう」、「他にこんないい所があるか」という自信、あるいは思い込みがあるのでしょう。
現実は、そうでもありません。
数年前、消費者金融武富士の創業者の長男が香港に移住し、贈与税、相続税を逃れるという件がありました。国税側は「税逃れ目的の移住は認められない」と課税したものの、税務訴訟において最高裁で敗訴。武富士創業者長男側には、約2000億円もの大金が還付されたとのこと。
http://manetatsu.com/2014/05/31249/
日本から出て行かれたために、国家財政は2000億円の大損。
「日本から出て行けばよい」どころの話ではありません。
これは極端な例であり、現在ではこのような課税逃れの移住には、それを防止する新たな法制度が整備されてはいます。
それでも、富裕な人々は、かなり日本から脱出しています。
日本人の移住先として人気なのは、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランド、香港、シンガポール、マレーシア、タイ、あたりでしょうか。
億単位の円資産があれば、海外移住は容易です。逆に貧困な人々は、そのようなわけにはいかない。
「日本から出て行け」で、本当に出て行けるのは富裕な人ばかり。億単位の資産を保有する人が日本から出て行けば、それらの人々が保有する資産も日本から流出し、その分相続税や個人消費が減少する。
逆に生活保護や公的支援に頼ろうとする弱い立場の人は、必ず国内に残る。
バカなことを言っていれば、自分で自分の首を絞めることになりますよ、と言ってやりたい。