「ネトウヨ」と呼ばれるような者に対して、思い込みがあった。
 「年齢は若く(二十歳前後)、いわゆるNEETで、一日パソコンに向かって某国やナントカ国、カントカ党の悪口、ヘイト投稿を繰り返している」。
 そんなイメージがあったが、どうやらそうでもないようだ。

 昨年初め頃の話である。ある飲食店で隣の中年男二人組が、一昨年に成立した特定秘密保護法案について会話をしていた。
 片方が先輩だったようで、後輩らしき男が特定秘密保護法について、「どう思うか」と質問していた。
 特定秘密保護法が是か非か、どう答えるのかとつい聞き耳を立ててしまったが、先輩らしき男から出てきた言葉は、驚くべきものだった。
 「気に入らん人は日本から出て行けばよい」というのである。

 あまりの衝撃に椅子から落ちそうになってしまった。
 その男はさらに言う、「日本は民主主義国家である。今の自民党安倍政権は民主主義の選挙で選ばれた政権である。そのみんなで選んだ政権のやることが気に入らないなら、日本から出て行けばよい」。
 
 さらに驚いたことに、後輩らしき中年男はその意見に賛同し、追従する始末である。
 バカっていいですね、ものを考えずに暮らしていけるのですから。中年でも、ものを考えることを放棄して保守や愛国に無批判にもたれてしまう者は少なくないわけだ。

 あまりにもバカ過ぎて反論の必要もなさそうだが、一応この場で反論しておこう。
 
 選挙で政権を得た政党に対して、あるいはその政策に対して気に入らないならば、言論をもって批判する自由がある。それは憲法第20条にも定められている。小学校の社会科で学べる程度の話である。
 だいたい「是か非か」という議論に対する答えになっていない。
 そのバカ中年に対して、「お前こそ、憲法もわからんのなら、日本から出て行け」であろう。

 おっと、それなら、憲法違反の戦争法案におくまで固執する安倍とそのチョーチン持ちどもにこそ、そう言うべきか。