以下、Nikkei Net参照です。
 『スズキは30日、独フォルクスワーゲン(VW)との資本提携を解消すると発表した。2009年の提携後、経営の独立性などを巡って対立し、英ロンドンの国際仲裁裁判所を通して4年弱にわたり争っていた。VWが保有する全てのスズキ株式、19.9%分を買い戻す。買い戻し金額は5千億円規模になる見通し。今後のスズキの新たな生き残り策は、世界自動車メーカー再編の引き金となりそうだ。』

 スズキとフォルクスワーゲン(VW)は、2009年に「提携」で合意し、その合意に基づきVWがスズキの株式の19.9%を保有していたわけです。提携解消に伴い、その19.9%の株式はスズキが買い戻す、つまり自社株買いをするそうです。

 日経の記事は、やや日本企業寄りの姿勢が見られますが、下の記事に間違いはないでしょう。
 提携解消の理由は、以下のように明らかにされています。

 『当初、両社は「対等関係」を強調していた。VWの19.9%という出資比率は、持ち分法適用会社化を避けるといった意味合いがあった。しかし、VWは年次報告書で持ち分法適用会社と表記し、事実上の傘下企業と位置づけた。スズキはVWの環境技術の開示が十分でないとも主張していた。一方、VWはスズキがフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)からディーゼルエンジンを調達したことを提携合意違反だと表明。溝が生じていった。

 スズキは11年9月、提携解消を申し入れたが、提携の証しだった株の買い戻しにVWは応じなかった。このため同11月に国際仲裁裁判所に提訴していた。』

 「対等関係による提携」だったはずが、VW側はスズキを飲み込む(つまり、乗っ取る)ことを画策し、その態度を露わにしてきたというわけです。なんて汚いやり方でしょうか。
 当然ながらスズキの反発は大きく、両社の話し合いではらちが開かず、国際仲裁裁判所に提訴していたわけです。
 自社独立を志向し、提携のつもりだったスズキにとっては、とんだ災難でした。
 ひどいですね、VW。

 これが〇国や△国の会社なら、日本中、「だから〇国とは関わるなということだ!」、「△国は何をやっても汚い」、「〇国とは国交断絶せよ!」、「△国の連中は必ず裏切ってくる」とネトウヨ君たちが騒ぐのでしょうね(苦笑)。

 ドイツ相手なら、静かなものです。下は産経の記事です。日経記事に見られたVWが乗っ取ろうとした事実やその批判は一切ありません。
 逆にスズキの側が「提携失敗」という始末です。これではまるでスズキに非があるかのようです。
 まさに売国新聞!

 『VWと提携解消、スズキに孤立の懸念 自動車業界は進む合従連衡』
  産経新聞 8月31日(月)7時55分配信

 『独フォルクスワーゲン(VW)との資本・業務提携の解消に、スズキは4年近くを費やした。この間、ハイブリッド車(HV)など、燃費性能に優れた環境対応車の研究・開発に向け、自動車業界では合従連衡が相次ぐ。スズキは提携失敗により、巨額の資金が必要な技術開発で独自の戦いを余儀なくされる。

 「自立して生きていくことを前提に考える」

 鈴木修会長は30日の記者会見で、今後の戦略についてこう語った。確かにスズキはVWに提携解消を求めた2011年から独自で環境対応車の研究・開発を進め、今月26日には小型車「ソリオ」に初めてHV技術を搭載した。鈴木会長は「技術者の努力で目的は解決できた」と自信を示す。

 ただ、独自の環境技術を持つマツダは、5月にトヨタ自動車と包括的な業務提携を発表した。安全技術で強みを持つ富士重工業も、トヨタからHV技術の供与を受ける。ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)が燃料電池車の開発で協力するなど、巨額の費用がかかる技術開発をめぐり、自動車各社の合従連衡は激しさを増している。

 スズキは1981年からGMと資本・業務提携していたが、2008年のリーマン・ショック後にGMが業績悪化に陥り、提携を解消した。新たな提携先として選んだのがVWだった。鈴木会長は「契約前と後の(対応の)違いが大きかった」とVWとの提携解消の理由を語った。

 新たなパートナー候補としては、伊フィアットやトヨタが浮上する。ただ、新たな提携交渉は容易ではない。鈴木会長は「将来については慎重に考える」と語るが、自動車業界の流れに乗り遅れる恐れもある。 (会田聡)』

 というわけで、フォルクスワーゲンによるスズキ乗っ取りの事実や経緯を書けない産経新聞記者会田聡をバカ77号とします。