いつも政治や経済をテーマにバカ斬りをしていますが、今回は食をテーマにバカ斬りします。
ネット上で、熊本市のレストランが「年収2000万円超の違いがわかる皆様へ」、「日本一高い」という「最高級ローストビーフ」を販売しているのが話題になっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141212-00000006-jct-soci&pos=1
曰く、「当サイトでは、凡人には理解し難い超高級ローストビーフを提供しているため、年収が2000万円以上あるような経済的・精神的に裕福な方を対象としています。それに満たない貧乏人の方や、当サイトの趣旨にご理解いただけない方は閲覧・ご利用をご遠慮くださいますようお願い致します」とのことである。
バカですね・・・・。
このレストランのシェフ川添とやら、料理人でありながら何もわかっていないのは自分の方だということがわかっていないバカである。
ローストビーフというのは焼き上がりが美味いのだ。
なぜ焼きたてのローストビーフが美味いのか。それは牛脂肪の溶ける温度がポイントである。
http://www.nissui.co.jp/academy/taste/15/
マグロのトロは口の中の温度で脂肪が溶け、文字通り舌の上でとろける食感を味わえるから美味いのだ。
牛肉の脂肪が溶ける温度は40~56℃と体温より高く、溶けない牛脂が舌触りを損ねてしまう。だから霜降り牛肉は生で食べても美味くないのだ。
それを美味くするのがローストビーフである。ブロックの肉をオーブンで温め、決して焼き過ぎずに濃いピンク色になる程度に加熱すれば、脂肪がとろける温度になり、食せば絶品となる。
川添のローストビーフは、サーロインが500グラムで3万いくらとか。いくら調理に時間をかけたといっても、冷めて脂の固まった牛肉を食って美味いわけがあるか。冷めたステーキが美味くないのと同じ。
それとも温め直して食べろというのだろうか。それなら生の肉からオーブンでじっくり焼き上げた焼きたての方が美味いに決まっている。
川添のバカ高いローストビーフは、まったく売れていないそうである。世間の人は、それほどバカではないということか。