前回記事で終了の予定でしたが、ご質問もいただいたので、補足のオマケということで、もう一度記事にします。
短期国債が、ついにマイナス金利で取引されるという事態が発生しました。
理由としては、こういうことが考えられます。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20141023-00040210/
『なぜマイナス金利が発生したのかといえば、日銀が量的・質的緩和、いわゆる異次元緩和によって国債を市場から大量に買い付けているためである。供給よりも需要が大きく、このため金利を払ってまで買う投資家が出てきたのである。
機関投資家と呼ばれる銀行などはより現金に近い、売り買いのしやすい短期の国債に資金を置いておくのである。
銀行などは担保としてある程度の量の国債を買っておかねばならないし、機関投資家も海外投資家などのように日銀の当座預金口座を持っていないところもあり、このようなニーズがあるため、マイナス金利でも国債を購入する投資家が存在するのである。』
しかしながら、当然のようにこの風潮を危惧する声も上がっています。
http://thepage.jp/detail/20141026-00000002-wordleaf?page=1
こちらの論者は、現在の国債価格が「日銀による購入を前提とした取引によるもの」として、「バブルはいつはじけるのか予想が難しい」と事実上の「バブル認定」をしています。
その通りですね。現在の国債価格は日銀による買いオペを当て込んだ価格、「日銀が買うから価格は上がる、上がるから買う」。これはバブルと言わざるを得ません。
この国では25年前まで「土地価格は下がらない」という『土地神話』があった。
土地値は下がらないからと、どんどん高い値をつけ取引した。下がらないからと無茶な値でも買った。高くてもそれ以上に値上がりするからと買い続けた。その結果、経済の実態では説明のつかない高値がつき、「土地バブル崩壊」につながったわけです。
現在の国債取引はそれに酷似しています。
税収で返せるあてのない国の借金を「国だから大丈夫」、「日銀が買うから大丈夫」と取引を続け、金融の常識から外れた金利水準を維持している。
「バブル崩壊の25年周期」は現実となるでしょうか。