手術の前に、精密検査の結果を説明してもらった。
やはり生まれつき鼻腔の構造に歪みがあったらしい。
歪みによって、気道が塞がれているため、これを治して気道を広げてくれるとのこと。
鼻腔の中はポリープだけでなく、ポリープ状の粘膜の腫れもあった。
私はポリープの切除を想定していたが、これらすべて根治させてくれると言ってもらえた。
入院は1泊2日。手術は約3時間、全身麻酔のため手術中の苦痛はない。これも昔受けた手術とは大違いだ。
手術は無事終了した。
翌日には予定通り退院し、自宅に戻った。
術後数日間は、鼻血と発熱でやや苦しんだ。しかし、この程度の症状は、風邪をひいた時の辛さと変わらない。あと数日すれば、きっとよくなるのだろう。
術後数日で発熱は治まり、鼻血は固まって鼻腔内で瘡蓋が出来ているのがわかった。さらに数日後、瘡蓋が剝がれかけているのがわかった。ちょうどその日は術後の検診の日だった。
外来診察室で、担当医の診察を受けた。ちょうど剥がれかけた瘡蓋を器具で剥離し、ピンセットでつまみだしてくれた。
自分の鼻の中にこんな物があったのかと驚くような大きな瘡蓋だった。
自分の長年の苦しみをすべて固めたような瘡蓋だった。これが摘み出されて、自分の苦しみも一緒に摘み出された気がした。
心身ともに、本当にスッキリした。
ちょうどその夜、術後の禁酒期間も明けた。
約1ヶ月ぶりのビールで、全快を祝した。