その耳鼻科は4階建ての建物を擁していた。1階が外来診療部門、2階が入院病棟、3階が手術室、4階が事務所等ということだった。
 医療機関の分類としては、診療所になるのだろう。手術・入院施設を備えているのならば、これまでの変態ヤブやカネ狂いヤブ、犯罪者ヤブどもとは違って、手術を拒否されるようなことはないだろう。それなら自前で設備を揃えている意味がない。

 さらにHPには治療方針がはっきりと示されていた。
 「ある調査によると、耳鼻咽喉科診療の一般的な印象として、『長期の通院』『不十分な説明』『不明確なゴール』などがあげられているそうです。我々は、上記のような事態を真摯に受け止め、満足のいく治療を行うために、4つの基本方針を取り入れ、納得のいく医療を心がけています。」(固有名詞は削除しています)
 そして4つの基本方針とは、「迅速な診断、治療方針の決定」、「納得できる医療」、「専門性の高い医療」、「短期入院による手術治療」だそうだ。
 さらに副鼻腔炎の手術の内容や方法までHPで明らかにしている。
 HPを見た限りでは誠実かつ真摯な対応・医療をしていることが伝わってきそうである。
 「今度こそ」。何度この言葉を口にしたかわからないが、本当に今度こそ、きちんと治療してもらえそうだった。

 その耳鼻科に電話をかけ、これまでの通院歴や手術歴、現在の症状を説明し、診察日時を予約した。