この最悪ヤブがさらに悪辣なのは、この医療事故を隠蔽したことである。
もともと、この大学病院には紹介状を持っていったわけだが、最悪ヤブはその紹介者に、「彼の症状はひどいものではない。成長の過程で克服していける」と大ウソをついたのである。
他の病院や同じ大学病院の他の医師の診察を受ければ、自分の起こした医療事故が発覚する恐れがある。臭いものにフタとばかり、「通院の必要ももうない」と告げて、私への診療を打ち切ったわけである。
今となっては、すぐに別の医療機関に行き、この最悪ヤブの医療ミスを事実として確認して、相応の根拠をもって訴訟を起こすべきであったとつくづく思う。
当時、中学生であった私にはそこまでの能力もなく、父親も紹介者の言葉を信じて、大したことはないものだと思い込んでしまった。
以後数年間、ひどい蓄膿症に悩まされることになる。鼻づまり、頭痛、鼻膿による不快感、吐き気。さらに、嗅覚だけでなく聴覚まで低下する。
再び、比較的マシであったヤブ2号に通院するようになるが、ほとんど症状を抑えることすらできない。
4年後、今度は母親が知り合いの医師夫人に相談し、その夫である医師から、ある総合病院を紹介される。
当時、高校2年生であった。