井沢はこうも記述している。
「しかし、冷静に考えていただきたい。いくら独裁者が『外国を攻めよ』と声高に叫んでも、本当にその政策を国民が支持していなければ『殿、ご乱心』ということで終わるはずである。あれだけ長くの戦争が続いたのは国民の大多数が支持していたからなのである。」
どうしようもないバカですね。いつも書くことですが、こういうバカには言葉を失いそうになりますが、失わずに批判を続けます。それにしても井沢の書くことがバカ過ぎてどこから斬るか迷い過ぎて混乱しそうです。
「国民の大多数が支持していた」なら、なぜ秀吉が死んだ途端に朝鮮から撤兵させたのか。秀吉死去後、撤兵を指示したのは当時の五大老、五奉行であろう。井沢の見解なら、その十人は、「よくも戦争を止めやがったな」と他の武将や民衆の蜂起によって命を落としたはずである。
事実はその反対、民衆も秀吉以外すべての大名も戦争には心底ウンザリしていた。特に慶長の役は秀吉一人のメンツと意地にこだわるだけの戦争であり、誰も支持などしていない。だから秀吉が死ぬや、これ幸いとばかりに撤兵したわけである。