以前の予告通り、今回は経済をテーマにバカ認定します。

 1980年代後半、日本は未曽有の好景気を迎えます。好景気で潤った人々は、余ったお金を土地や株、美術品やゴルフ会員権に投資(投機)し、それらは異常な高騰をし、儲けた人々はそのカネで贅沢をし、また投機につぎ込むことになります。

 

 この時代、バブルを煽ったと言われるのが、長谷川慶太郎です。その代表的な著書は「投機の時代」。

 この著書において、「これからは投機の時代である、企業は本業以外に株式や土地投機に資金を投入すべきだ、それができない経営者は失格である」とまで言い切ったわけです。

 バブル崩壊後、当然ながら長谷川は批判にさらされますが、本人は悪びれたこともなく、平然と経済評論家として活動を続けます。


 株式や土地が、値上がりするからといってみんながさらに買えば値上がりします。「騰がるから買う、買うから騰がる」。いつしか、株式や土地に合理的な説明のつかない価格がつくようになります。そしてこれは必ず反転します。「下がるから売る、売るから下がる」になるわけですが、バブルに酔った頭には気づかなかったというわけです。


 バブルの宴が終わった後、多くの人はそれに気づき、反省するわけですが、長谷川だけは、「バブルのない不況より、バブルのある好況の方がいい」「バブル崩壊を喜ぶような空論を排す」「バブルを崩壊させた日銀の金融政策が悪い、大蔵省(当時)による規制が間違っていた」等々、自らの主張の非を認めるどころか、他者を非難するような主張を続けます。  (続く)