ex. 心が語りかけるのをやめる時 | +未来を善くするモノ・コトを世の中に広める会社+ 株式会社モノノフのブログ

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タイトル:アルケミスト -夢を旅した少年-
著者:パウロ・コエーリョ
出版:角川文庫


著者名で本を読み、その面白かったことをとある友人に伝えていたところ、以前にその友人から「『アルケミスト』っていう面白い本があるよ」と薦められていたことを思い出した。
心に残りそうなフレーズがいくつもごろごろわかりやすく転がっていた。


自分の宝探しの冒険をやめて、砂漠で見つけた最愛の人とそこに残り、一生を過ごしたいと考えているとき。


「僕はオアシスにずっといたいのです」と少年は答えた。「僕はファティマを見つけました。僕にとって、彼女の方が宝物よりも大切です」
「ファティマは砂漠の女だ」と錬金術師が言った。「彼女は、男は戻ってくるために遠くへ行かなければならないと知っている。それに、彼女はすでに自分の宝物を見つけたのだ。それはおまえのことだ。だから、彼女はおまえにも、おまえが探しているものを見つけてほしいと思っているのだ」
「では、もし僕がここにとどまったら、どうなるのですか?」
「どうなるか教えよう。おまえはオアシスの相談役になるだろう。たくさんの羊とたくさんのらくだを買うためのお金も、十分に持っている。ファティマと結婚して、二人とも一年間は幸せに過ごす。おまえは砂漠が好きになり、五万本のやしの木の一本いっぽんを知るだろう。それらは、世界が一刻一刻変わってゆくのを証明しながら育っていくだろう。おまえは前兆の読み方がどんどんうまくなってゆく。それは、砂漠が最高の先生だからだ。
 二年目のいつ頃か、おまえは宝物のことを思い出す。前兆が執拗にそのことを語りかけ始めるが、おまえはそれを無視しようとする。おまえは自分の知識をオアシスとその住民の幸せのために使う。族長はおまえのすることに感謝する。そして、おまえのらくだはおまえに富と力をもたらす。
 三年目にも、前兆はおまえの宝物や運命について、語り続けるだろう。おまえは夜ごとにオアシスを歩きまわり、ファティマは、自分がおまえの探求のじゃまをしたと思って、不幸になる。しかしおまえは彼女を愛し、彼女はおまえの愛にこたえる。おまえは、ここにいてくれと彼女が決して言わなかったことを思い出す。砂漠の女は、自分の男を待たなければならないと知っているからだ。だからおまえは彼女を責めはしない。しかし、おまえは砂漠の砂の上を歩きながら、もしかして自分は行けたかもしれない……もっとファティマへの自分の愛を信じることができたかもしれない、と何度も考えてしまう。なぜなら、おまえをオアシスに引き止めたものは、二度と帰って来ないのではないかというおまえ自信の恐れだったからだ。その時、おまえの宝物は永久に埋もれてしまったと、前兆は語るだろう。
 そして四年目のいつか、前兆はおまえを見捨てるだろう。おまえがもう、それに耳を傾けるのを止めてしまうからだ。部族の長たちはそれを発見して、おまえは相談役の地位を解かれてしまう。しかし、その時にはおまえは金持ちの商人になっていて、多くのらくだや商品を持っている。おまえはその後の人生をずっと、自分は運命を探求しなかった、もうそうするには遅すぎると思って、暮らすだろう。
 男が自分の運命を追求するのを、愛は決して引き止めはしないということを、おまえは理解しなければいけない。もし彼がその追求をやめたとしたら、それは真の愛ではないからだ……大いなることばを語る愛ではないからだ」