多聞天さんは財宝の神様です。平安時代に四天王信仰が流行るのですが、それが一段落すると、今度は多聞天さん単独で「毘沙門天」としての信仰が強くなります。
毘沙門天を深く信仰した人物と言えば越後の武将、上杉謙信公です。
居城の春日山城には、毘沙門堂を築き、毘沙門天を祀ったとされます。
出陣の際は、毘沙門堂に籠もって戦勝を祈願、作戦を練って「毘」の文字を書いた軍旗を先頭に戦場に赴いています。
戦場では兜をつけず、毘沙門天を信じて白布で頭を包んだ僧の姿で陣頭指揮を取っていたとされます。
実際、一度も矢が当たったことがなく、毘沙門天さまのご利益、ご加護があったのでしょう。
今日のカットは、現在奈良国立博物館で開催中の「快慶展」に出陳されている金剛峯寺さんの四天王立像の多聞天天像です。広目天さんとお二人でご出陣です。
写真から受ける迫力から、勝手にもっと大きな像を想像してしていましたが、実際の像を見ると「可愛い」と思ってしまいます。少し下を向いておられるのは、5月3日にアップした広目天さんのときにも書きましたが、東大寺大仏殿に安置する11メートルもある巨大な四天王像のひながたとして先に作られたためと言われます。
つまり、拝観者を見つめる姿勢です。

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