今日、法隆寺さんでは涅槃会が行われます。
通常、涅槃図では、沙羅双樹の林の中に置かれた宝台の上で北枕に横臥するお釈迦様を中心に、嘆き悲しむ諸菩薩や羅漢さん、眷属そして動物など多くの生き物が描かれています。
一方、法隆寺の五重塔の初層の北面には、この情況を塑像で立体的に表現されています。
釈迦の涅槃像を中心に、菩薩や阿修羅を含む八部衆、比丘、そして一番前には脈を採る医師の耆婆と羅漢像が配置されています。
壊れやすい塑像が、天平時代から千年もの間、よくもまあ無事に姿を留めているものと驚きです。
特に羅漢像は、恩師の入滅を嘆き悲む姿から、大勢の鳴き声が聞こえてくるようです。
あるものは慟哭し、またあるものは胸をかきむしる仕草や体をのけ反らせて嘆く姿など、バリエーションに富んだ姿がリアルに表現されています。
如何に、師を慕っていたか汲み取れます。
このリアルさを可能にしたのが、作者の意のままに、くっつけたり、ちょっと削ったりの試行錯誤が可能な素材にあったとされます。
単純な粘土ではなく、少しの細かな砂や和紙が練りまれた特殊なものであったようです。
それにしても、このリアルさの追及と表現力には、拝観のたびに感動を覚えます。

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