今日のカットは、興福寺国宝館の中央でひと際存在感を示しておられる千手観音像です。
手の数は42です。1つの手で25の世界を救う(25の役割を果たす)、つまり25×40=1000プラス前で合わせている手2つで42となるのですが、仏教の世界で「千」とは「1,000」ではなく「無限」を意味します。
実際に千の手を持つ仏像は、国宝では唐招提寺さんと大阪の葛井寺さん、そして重文では京都寿宝寺さんの3躯だけです。
千の手の製作は大変(=製作費用、製作時間がかかる)なので、掛け算で千にしたのでしょうか。

それにしても、これだけ多くの手があると普通「怖い」と思うものですが、子供の頃に初めて見たときでさえ、怖いとは思いませんでした。何故でしょうか?

憤怒相の金剛力士の切り絵を見た3歳の孫は「コワイ」って言いましたが、この千手観音の作品は怖がりませんでした。この差は何でしょう。
あかちゃんは、まだぼんやりとしか見えぬ視力で、大人の「眼の表情」を見て、笑っている人に微笑みを返すと言われます。口角を上げた作り笑顔ではそれはしない、つまり「本物」を見極める能力を持っているということいですが、「怖さ」もそうなのでしょうか。

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