寺院さんからの注文に応じて「和紙栞」を沢山作ると、微妙なサイズ(約30×190mm)の和紙の切れ端が残ります。楮100%で1枚1枚職人さんが手漉きされた和紙ですので、捨てられないのです。特に「栞」としての強度を確保するための厚手の和紙なので、両端を思っきり引っ張っても、絶対に切れない強度も持っています。廃材と呼ぶには忍びないので、屏風を作られている方に教えて頂いた「配材」と私も呼ぶことにしています。
 
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仏像を切るには流石に小さすぎますし、溜まるばかりなので、以前からデザインして貯めている「仏像の手」シリーズを試しに切ってみました。
自分で「栞」として使ってみました。カットしているので、強く引っ張ると流石に破れますが、しなやかさと言い、和紙ゆえ移動中にも滑り落ち難いですし「栞」としては最高です。
何らかの残り材料であることを示すため、敢えて切り跡を残し、端の部分の場合、手漉き和紙独特の端面をそのまま残しています。もし、気に入れなければ自由にカットすれば良いことですし。
先日打ち合わせの際、「栞」として使っているのに気づかれた方がいます。そして「あっ!、聖林寺さんの十一面観音の御手ですよね。」と仰いました。
 
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持物を持たれず、手首から先のハイライト部分しかカットしていない指の表情だけで、仏像名を言い当てられるとは余程の仏像マニアです。
一番好きな仏像と言われるし、栞として使って間がなく手垢もついておらず、本人も了承されたので、その場で差し上げました。大層喜んでいただきました。まさしく活きた「配材」となりました。本来の議題を忘れ、しばらく仏像談義に花が咲きました。
現在試しに切ったものは、添付の8種です。
なお、写真はわかり易いよう、群青の紙の上で撮影しています。
 
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