長年通っている歯医者さんの先生が真空管マニアであること、
昨日初めて知った。
真空管やソケット、トランスなど、特に関西では販売店も見つ
けにくい(皆無に近い)この時勢、超レアなマニアである。
私の学生時代は、真空管式が当たり前で、Hi-Fiブームとかで私
も手作りしていた。

当時、大阪日本橋の電気店街には多くの店が並んでいて、真空管
のソケットなどの中古部品も売っていて、予算と相談しながら、
苦労して(楽しみながら)部品を集めたものである。
そして、シャーシをゴリゴリ加工し、ハンダごてで何箇所も妬け
どしながらコツコツ組立てたことが懐かしい。
3、5、7極管のメーカーと品名はたいてい覚えていて、友人と
いろいろ情報交換や論議をしたものである。
半導体アンプもボチボチ出てきてはいたが高嶺の花である。
また、その音たるや、立ち上がり特性が良いことから、ツンツン
した音に聞こえ「半導体アンプとはなんと、硬くて趣のないもの」
と言うのが第一印象であった。
 
寿命のある真空管、鉄と銅の塊であるトランスの大きさ・重さ、
さらに当時の小遣いからすると、かなりの金額で、いまから思え
ばとんでもないシロモノであった。
でも夜、部屋の電気を消すと、真空管のヒーターが赤く灯り、
レコードから流れるソフトな音には趣があった。
いろいろ工夫を凝らしても、音の急激な変化にアンプ性能が付
いて行けないため、角が取れてソフトになるのであり、本来の
音源とは違ったはずである。
ただ、夏場はクーラーなどない時代、そうでなくても暑苦しい
部屋を、ヒーターがさらに暑くしてくれた。
 
もうほとんど消えかけていた記憶が、久しぶりに、歯医者さんの
あの「キー~ィン」という堪らない音の中で蘇った。