炊き出しするなら片付けも完璧に | 注文の多い蕎麦店

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人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。


昨日から炊き出しのスタート。
昼の炊き出し場所は8時半からしか入れないので
ランニングがてら宇出津港へ。


 

珠洲や輪島ばかりクローズアップされますが
やはり宇出津もひどい。


 

役場前は自衛隊の方が車で寝泊まりされてます。


 

朝早いとはいえ港は静寂に包まれている。


 

 

どうにか立ってる家も軒並み傾いてるし。


 

もちろんどこも店は休業。


 

重たい能登瓦の木造家屋はほぼほぼ全壊。


 

 

ここに大きい鳥居があったはずだが見事に崩壊。


 

市場も静か。


 

岸壁が隆起してるので船は近づけないし
断水の影響で氷もないのでどのみち荷捌きができない。


 

当初は宇出津港に上がった魚で炊き出ししようかと考えてたんですが

それどころではない漁業は壊滅状態。

 

 

市場裏の商店街もひどい。


 

赤紙が危険で全壊扱い。


 

黄色が要注意で準半壊。


 

緑は確認済みで一応居住可能らしいが・・・


 

たぶんほとんど金沢あたりに2次避難してるのかまるで人の気配がしない。


 

神社の手水鉢がこんなとこにまで。


 

簡易のプレハブなんかはもちろんアウト。


 

数馬酒造のある立町あたりもひどい。


 

車ももうどうしようもない。


 

うちも罹災証明書をもらうために町の審査を待ってるのですが
一向に来ないらしい。
判定してもらわないことには次に進めないのがもどかしい。

玄関はもう閉まらないので目張りしてつっかえ棒で防犯代わり。


 

井戸水引いてるのだけが唯一の救いです。


 

そして時間になったので昼の炊き出し所である瑞穂公民館へ。


 

宇出津から20kmくらいですが途中道がヤバいので30分くらいかかります。


 

ここで7日間通しで炊き出し。


 

今は避難所としては解除され自主避難所として
近隣の人たちの集い場所となってます。


 

調理室が充実してるのがありがたい。


 

夜の分と合わせて30人前(これで半量)
初日なのでもう昼はバタバタ。

作業中に震度4くらいの地震が。

余震はずっと続いてます怖い。


 

昨日の昼のメニューはこんな感じ。


 

七尾~穴水~中島町産の十割蕎麦に美山ゆう豆さんの生湯葉。
ブルグルのトマト煮込みと母親作のはりはり漬け。
そして小浜産のかますの天ぷら。
魚久しぶりに食べたと喜んでもらえました。

炊き出しに来られる方に注意してほしいのは
作るのはなんとかなるんですがとにかく片付けがたいへん。


 

なんせ洗い物に流水が使えないので
何度も何度もバケツにタンクから水を移してという作業が必要になります。
普段こんなにも水使ってるのかと思い知らされます。

50リットルの水なんてあっという間になくなる。

 

 

穴水で炊き出し後の洗い物を放置したボランティアが叩かれてましたが。

作った後にこれどうしよう?ってなったんでしょう。

 

炊き出しするなら作った満足感で終わらせずに
きっちり片付けまでパーフェクトにすることを大前提に。


 

ここは自衛隊による給水所にもなってます。
と思ったら水が尽きたとのことで


 

旧鵜川駅前の給水施設へ。

ここなら24時間給水可能。


 

ここもやっぱりひどい。
鵜川は地盤がもともと緩かったんだろうか。


 

そして山越えで次の炊き出し。

このあたりの道路は手付かず。

夜走るのはやめたほうがいい。


 

夜の炊き出し所である藤ノ瀬集会所。

 

 

ここはまだ数人の住民が避難されてます。


 

調理室は家庭用みたいな感じ。
 

 

仕込みするなら瑞穂でだな。

夜のメニューはこんな感じ。


 

 

地震以来炊き出しに来たのは僕が初めてだそうで
みんな黙々と食べている。
ほんとに喜んでもらえてもうそれだけでここまで来た甲斐があった。

一緒にごちそうになりました。


 

ここは山水引いてるので比較的片づけは楽です。

 

 

やっぱり大きな被害があったとことか大人数が避難してるところは
メディアでもクローズアップされるのですが。
こういうほんとに小さな集落は見過ごされることが多い。

そんな所なら個人でも十分支援可能なので
料理人の皆さんはどんどん手を挙げてほしい。
被災者の人はもちろん自分自身にとっても必ず貴重な経験になる。
料理で人を救えるということを証明したいと思いますニコニコ