世界を平和に導くのは子供の笑顔 | 注文の多い蕎麦店

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先日「バジュランギおじさんと小さな迷子」というインド映画を観たのですが。
インド映画お決まりの歌って踊って涙してという
3時間弱に及ぶ長い長い作品だったのですが。
その長さの分だけ愛に溢れたとても良い映画でした。
内容を簡単に説明すると。

インドで母親とはぐれ迷子になってしまった口のきけないパキスタンの女の子を
インド人青年がパキスタンまで家探しの旅に出かける。

といった感じなのですが。
元々パキスタンという国はインド領を支配していたイギリスが主権をインドに返すときに
インド国内におけるムスリム(イスラム教徒)を独立させて分離し建設された国家であり。
宗教によって国が二つに分裂し民族が大移動するという悲しい経緯があったのですが。

その宗教を根っことした対立は今なお続いており
お互いが核武装して牽制し合うという事態にまで発展しているのです。
もちろん両国間の移動には厳しい制限が設けられているので
今回の映画の話のようにインド人がパキスタンへ入国するためには。
いつ降りるか解らない正規の申請で辛抱強く待つか入国管理局に多額の賄賂を積むか
闇のルートで不法入国するしかないんですね。

そういう背景を基にこの映画では身の危険を顧みずパキスタンで
見ず知らずの子供の親探しを敢行するインド人を美談的扱いで描いてるのですが。
この作品の見どころは何と言っても
口のきけない子供を演じた女の子の一点の曇りもない愛らしい笑顔にあるのだと思います。
彼女は言葉が発せないために質問に対しては首を横に振ってNOを表すのですが
これがYESの場合には
右手を顔の横に掲げて満面の笑みで頷くんですね。
これがまあ何とも無邪気で無垢で可愛らしくてこの笑顔だけでもう

インドもパキスタンもムスリムもバラモンも核もそんなもんどうでもいいわ

ってなってしまうほどの愛に満ち溢れてるんですね。
もしかしたら世界を平和を導くのは尊い言葉でも理論でも経済の均衡でも宗教観の統一でもなくて

何のしがらみもない子供の無垢な笑顔

なのかもしれないですね。
この世界を平和に導くかもしれない彼女の笑顔一度お試しください良い映画でした照れ