配偶者居住権は相続税増税の隠れ蓑か2 | 注文の多い蕎麦店

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じゃあ現行の民法では遺された配偶者が生きていくための権利は保障されてなかったの?
かといえばそうでもないんですね。
むしろ現民法のほうが手厚い保護対策が敷かれてたんじゃないのかなあ?
って僕は感じてます。

例えば相続税に関して言えば
被相続人と同居していた配偶者がその土地を相続した場合だと
課税対象となる土地の評価額は無条件で80%減となります(家屋は固定資産税評価額のまま)
もちろんこれも土地を相続した配偶者が居所を奪われないようにという目的の法律なので
配偶者の権利を保護するためにわざわざ居住権を新設した意味も少し薄いような気がします。

さらには相続税には基礎控除というものがあり
一律3000万円プラス相続人1人に対して600万円分は相続税の評価額が控除されるんですね。
つまり奥さんと子供2人が資産を相続した場合合計4800万円までの相続なら相続税は1円も発生しない計算になります。
さらには配偶者間の相続に至っては最大1億6000万円までは課税されませんので
遺された配偶者が相続するほとんどの場合で相続税は発生しないんですね。

じゃあこれだけ配偶者に手厚い保護対策が取られてるにも関わらず
今回の法改正で「配偶者居住権」を盛り込み配偶者が路頭に迷わないような権利を!
とこれ見よがしに謳っているのかというと・・・

「配偶者居住権」なるものはあくまでも一身上つまり遺された配偶者にのみ与えられた限定的な権利であり
しかも一般的には遺された配偶者が権利を有する期間。
もっと解りやすくいえば予後の人生もそれほど長くない遺された奥さん(旦那さん)が亡くなったらその権利は消滅して
元の所有権に戻るのだから結局は二次相続(奥さんから子供への相続)では基礎控除も減るし
遺産の評価額も上がるという仕組みなので
必然的に相続税による国の収入も増加するということなのではないでしょうか。

実のところ現在の3000万円プラス相続人1人に対し600万円という基礎控除額は
2015年までは5000万円プラス相続人1人に対し1000万円だったわけで。
この時の法改正により相続税を納める人の割合は4.4%から8%に上昇

つまり国の税収も増加してるんですね。
ところがまだまだ国としてはお金が足りない。
もっと相続税徴収料をUPさせたいところだがまた法改正して基礎控除を減らしては信用を失いかねない。
ということであたかも残された配偶者の権利を保護する!
かのように謳った今回の「配偶者居住権」の新設で税収増を企んでるのが真相なんじゃないでしょうか。

まあそれが真実かどうかは今後の相続税収入の増減を見れば明らかになると思いますけどね。
ちなみにカナダやオーストラリア、ニューランド、スウェーデン、シンガポール、中国など相続税自体が存在しない
もしくは廃止に向かっている世界情勢に反して日本は相続税世界最高税率の55%をキープしております。
それだけ搾取しても借金まみれの日本っていったいどうなんだろう(^▽^;)