受験日の朝御飯に炭水化物がダメな理由 | 注文の多い蕎麦店

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昨日今日と全国でセンター試験が行われているようですが
昨日の早朝ラジオを聴いてたらある受験生の投稿が読まれまして・・・

「今日はとうとうセンター試験本番!朝からぜんざいとお餅を食べて頑張ってきます!!」
なんてことを仰ってまして。
ああこの子絶対落ちるわ(TωT)って確信したんですけどね。
それはなぜかと言うとですね。

基本的に炭水化物や砂糖などの糖質を摂取すると胃や小腸などで分解吸収されて
脳へはブトウ唐という単糖類にまで小さくなって脳のエネルギー源となるわけですが。
ここまでに辿り着くのに個人差はありますが大体3時間くらいの時間がかかります。
例えば早朝6時にお餅とぜんざいという糖質ダブルパンチをいきなり体内に入れると
もちろん起き立てですから脳のエネルギー(ブドウ糖)蓄積量は限りなくゼロに近い空っぽの状態ですので
朝9時頃にブドウ糖が辿り着いたときの脳の反応は。

「いやほほほほい!やっとブドウ糖が来たぞ!うほほほほほい!!」
と俄然一気に興奮して血糖値を上昇させるんですね。
これがいわゆるグルコーススパイクです。

すると急激に上がった血糖値に反応して膵臓のランゲルハンス島からインシュリンが分泌され
血糖値を速やかに下降させる働きをします。
当然エネルギーゼロの状態からいきなり糖質過剰摂取で血糖値急上昇、さらにインシュリンの効果で血糖値急降下。
という激しい上下運動で脳に負担がかかるため自律神経の交感神経が脳を休息させなさい!
という指令を出します。
この指令を受けた視床下部にある睡眠中枢が覚醒中枢を抑制して脳を速やかに休息させる働きをします。
これがいわゆる「睡魔」というやつの正体です。

つまり早朝6時からお餅とぜんざいという甘い麻薬を体内に放り込んだ彼女は
きっちり朝9時頃には睡魔に襲われるという仕組みです。
確かセンター試験の1科目目は朝9時半からだったと思うので彼女は睡魔の森真っ只中の状態で試験をスタートさせたことになります。
もちろんそんな状態では頼む脳よ最大限の能力を発揮してくれ!
なんていう無茶難題は酷な話で。
せめて一科目目を半ば捨てる覚悟で5分でも10分でもいいから
ナップ(うたた寝)を取っておけば50~60%くらいの能力は引き出せると思うんですけど・・・

じゃあ受験日の朝には何を食べたらいいの?っていうことですが・・・
基本的には何も食べないほうがいいのでは?と僕は考えます。
無理に口からブドウ糖を摂取しなくても脳のエネルギーが枯渇すれば
筋肉や脂肪に蓄えられたブドウ糖をエネルギーに変換する機能が人間には備わってますので。
血糖値の上下運動でわざわざ大事な試験日に脳に負担をかけるくらいなら
何も食べずに身体の潜在能力に任せておくほうがよいのかもしれません。
ただしそれは普段から適切なエネルギーを摂取してる人だけに推奨するもので
普段から偏った栄養(特に糖質依存)にどっぷり浸かってる人は肝心のグリコーゲンが体内に備蓄されてない状況ですので
エネルギー不足で脳がバーンアウトしてしまうかもしれません(^ ^;)

そいう人はできるだけ糖質は後に摂取するように心がけて
野菜(できれば無農薬)→卵(1個25円以上のまともな育てられ方をしたもの)、チーズ(乳化剤の入ってないナチュラルなもの)、肉類(加工品は除く)→糖質という順番でゆっくり食べれば血糖値も緩やかに上昇しますので
必然的に下がるのもゆっくりで脳への負担が最小限に抑制できます。
というわけで大事な受験日の朝に最適な食事は。

①何も食べない
②できるだけ糖質は食べずにエネルギーはたんぱく質、脂質で確保
③どうしても糖質を食べたいなら一番最後に少量で

の順番でしょうか。
兎にも角にも折角この日に標準を合わせて無駄な・・・じゃなくて合格に必要な受験勉強を詰め込んできたのですから
できるだけ脳には最大限の能力を発揮してもらいたいですよね。
まあとは言っても脳の許容量いっぱいいっぱいまで溜め込んだその知識は合格後にはほとんど使い物にならないんですけどねがんばって(≧ε≦o)