人は一人で行き続けられるか4 | 注文の多い蕎麦店

注文の多い蕎麦店

人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。

観光都市麗江を後にし。
さあ次はどこへいこう。
できれば日本人のいないところへ。


ガイドブックを丹念に調べてみると。
ありました。食指の動きそうなマイナー村。

剣仙。いい名前です。
クリリンあたりが修行してそうな(笑)
でも何て読むの?

バスターミナルの行き先表示。
1台ずつ確認してみましたが・・・ありません。
相当な僻地のようです。

優しそうな運転手選んで。
うぉーやおちゅー きいぇんしぇん。
 
ウェエエエイ?
やはり違った。


くぅえんしゃん?
ウェエエエイ?

きゅうぇんしょん?くわんしゅん?
ウェエエエイ?

ここが中国語の壁。

漢字は読めても発音がわからない。
しかも同じ言葉でも抑揚の違いで意味が全く違ってくるのです。
マーだけでも10通りくらいの表現があったような。
日本語化した漢字さえ通じない。


突然背後からいかつい顔の運ちゃんが。
僕のガイドブックの挿入写真を指差し。


オォォォォ ツェンツァン。


想定外の発音でした。
つぇんつあん。行き先は通じた。
さあどのバスに乗ればいいのだ。


すると怒り顔の運ちゃんが顎をしゃくって。


俺について来い。


やばいな。どうする?
結構悪そうな顔だぞ。でもここは雲南省。
日本でいえば広島あたりか。
やっぱりやばいな。


のるかそるか。
ここでも旅人特有の無策な勇気が勝ちました。
まさか殺られることはないだろう。


怒り顔のバスは20人乗りくらいのマイクロバス。
明らかに30人くらい乗ってるんですけど(汗)

ぎゅうぎゅうに詰め込まれた車内は異様な匂いが。
痰か唾か。そこら中でぺっぺぺっぺ。
果たして5時間耐えられるだろうか。

しかも悲劇はこれだけではありませんでした。

2、30分走るごとに増える乗客と荷物。
ノーモアノーモア。
隣席西洋人のノイローゼ気味のつぶやきも空しく。
猫バス並みに膨らんだマイクロはまだまだ膨張し続けるのでした。


続く。