ジャッキーチェンに憧れて | 注文の多い蕎麦店

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人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。

僕の中での最初のヒーロー。
自分のお金で初めてちゃんと観た映画。
プロジェクトA。
かっこよかったなあ。
しかもかっこいいだけじゃなくておもしろい。
そこがブルースリーとの違い。
陽気なかっこよさ。
毎回エンディングのNG集が楽しみで楽しみで。

女の子と初めて観た映画もジャッキー。
今思うとナンセンス極まりないですね(笑)
確かファーストミッションだったかなあ。
その後別の友達とかとも観たから
計3回。同じ映画ですよ。
そのくせ内容はまるで覚えてない(笑)
映画の内容云々というよりジャッキーの醸し出す空気。
おもろかっこいい雰囲気。ただそれを味わいたくて。

スパルタンX、ポリスストーリー、五福星・・・
封切の度、映画館に通いつめる日々。
よくまあお金が続いたものです。
当時チケットいくらだったけな?

もちろんグッズ、レコードほとんど買い漁りましたよ。
もうね歌がうまいとか下手とかそんなのどうでもいい。
ジャッキーが歌ってる。
というその事実を自分のものにしたかっただけ。
そりゃ映画の内容も覚えてないわけです(笑)
とにかくNG集だけが楽しみで。

いつぐらいからかなあ。覚めたの。
たぶんサンダーアーム公開前だったと思うんですけど。
ジャッキーがね。撮影中に大怪我したんですよ。
岸壁に頭突っ込んで頭蓋骨陥没。

当時は情報も少ないもんだから、TVのニュースでは
恐らく危ない。

で僕はどうしたかというと。
とりあえず街に繰り出し、ジャッキーグッズ買い漁りました。
何故かって?

死んだらプレミアがついて高く売れるから。

単純馬鹿ですねえ。ジャッキーファンにあるまじきこの行動。
そりゃ他のファンからは非難轟々。
もちろん死んでほしくはなかったですよ。
紛れもなくジャッキーは僕のヒーローでしたから。
でもその感情とは別に。
金儲けを企む衝動は抑えられない。

結局ね。大事にはいたらずジャッキーは一命を取り留めたんですけど。
僕の買い占めた商品はね。
全て無駄。普通の一グッズ。

本題。ジャッキーチェンに憧れて。
憧れは憧れのままにしておかなければなりません。
ジャッキーが死にそうになった時。
彼は憧れから僕たちと同じラインに降りてきました。
あのジャッキーも死ぬのだと。
僕らと同じ生身の人間なのだと。

その瞬間、憧憬は投機の対象へと成り果てました。
もう元の高みへは戻れない。
手に届くとわかった途端に興味も喪失する。

恋愛と同じです。
プロセスに心躍らせ実際手にしてみたら・・・
一生プロセスのまま。
それはそれで空しいんですけど(笑)