今月28日から来月1日まで、5日間の日程で福岡県を舞台に行われている陸上競技の全国高校総体(通称:インターハイ)。

その男子800mで、滋賀学園の落合晃が1分44秒80の日本新記録を樹立しました。

この記録は従来の日本記録(1分45秒75)を1秒近く更新するもので、同世代の世界トップ選手にも引けを取らない素晴らしい記録です。

尚、落合は先日行われた日本選手権でも、並み居る国内トップ選手たちを抑えて見事に優勝を飾っています。

つまり、落合はこれでめでたく「日本チャンピオン&日本記録保持者」となり、高校生ながら、この種目では名実共に国内最強のランナーとなったのです。

 

ちなみに、高校生の活躍と言えば、女子の800mでも東大阪大敬愛の久保凛が「日本チャンピオン&日本記録保持者」の〝ダブル称号〟を手にしています。

こうした活躍に対して「日本の中距離界、ひいては陸上界は明るい!」と盛り上がりたくなる気持ちはわかりますが、どうか彼らのことは全力でそっとしておいてあげてほしいですね。

いくら凄い記録を出したところで、中身はまだ社会のことなど何もわからない16、7歳の純朴な少年少女ですから。

周囲が期待の余り、異常に〝過熱〟してしまうことで、本人たちがこれまでとの〝ギャップ〟に困惑し、次第に「走る意味」を見い出せなくなってしまいます。

 

それでも、ついつい「応援の気持ち」が大きくなりそうな時には、是非とも御自身が高校生だった頃を思い出してみてください。

あの頃の私たちと同じように、彼らにも「遊びたい」「サボりたい」「モテたい」といった若者らしい感情が必ず有ります。

そういった感情を乗り越えながら、時には誘惑に負けて「イケない遊び」に手を出しながらも、少しずつ大人になっていくのはトップアスリートであれ同じです。

従って、矛盾するようでは有りますが、彼らを精一杯応援したいと思うならば尚更のこと「なんかそんな奴いたな」くらいのテンションで、遠くからぼんやりと見つめてあげてください。

そうやって本人たちを伸び伸びと走らせてあげることこそが、私たち大人に出来る何よりの「応援」です。

どうか大人たちの身勝手な期待で、彼らの青春を懸けた「遊び」を邪魔しないであげてくださいね。