今月14日、川崎市の首都高速道路湾岸線で、追い越し車線に停まっていた乗用車とワゴン車にトラックが衝突し、乗用車を運転していた岐阜市の会社員の男性が死亡した他、ワゴン車に乗っていた男女が大怪我をしました。
その後の調べで、死亡した男性はパンクをして停まっていた車を助けようと車外に出た後、事故に巻き込まれたことがわかりました。
警察はトラックを運転していた横浜市の会社員の男をその場で現行犯逮捕し、過失運転致死傷の疑いで捜査しています。
何と言うのか、調べれば調べるほど痛ましく悲しい事故ですね。
パンクした車を助けようという善意は素晴らしいのですが、道路上では、時にその善意が〝仇〟となってしまうことも忘れてはなりません。
そもそも、高速道路の追い越し車線で停止するなど、誰がどう考えても「自殺行為」です。
本当に故障でエンジンが停止したならともかく、タイヤのパンク程度なら路肩に寄せることくらいは出来たはずでしょう。
実際に私は、過去に国道で突然タイヤが〝バースト〟しましたが、勿論スピードは出せないながらも、そこから10kmくらいは余裕で走れました。
ですから「タイヤがパンクしたから」と言って、高速道路の本線上で停まっては「絶対に」いけません。
上述の通り、この事故では衝突したトラックの運転手が逮捕されていますが、状況を考えれば少し気の毒な感じがしますね。
いくら「かもしれない運転」をしていても、まさか高速道路の追い越し車線上に車が停まっているとは思わなかったでしょう。
現場には発煙筒が焚いてあったようですが、トラックの運転手が、それに気付きながらも衝突を避けられなかったのは致し方ないと思います。
何せ、自分も周りも時速100km近いスピードで駆け抜ける世界ですから、反応できる速度にも限界がありますし、迂闊に急ブレーキなど掛ければ、今度は自分が後続車に追突されてしまいます。
勿論、法律上はトラックの運転手が違反をしたことになりますし、今後の裁判で「法の裁き」を受けることになりますが、私自身は、やはり過失の割合で言えば「追い越し車線上に停止した車」の方が大きいと思いますよ。
厳しいようですが「追い越し車線はどういう場所なのか」「路肩は何の為に設置されているのか」を理解していないのでは、高速道路を走る資格は1ミリもありません。
しかし、こうした事故の報道を見る度に思いますが、やはり「車は(こちらを)見えている」と思ってはダメですね。
自分が車を見えているからと言って、車も自分を見えているとは限りません。
よく私の住む町でも「車は見えている」という前提で、道路を堂々と横断している人が居ますが、こちらがブレーキを掛けなければ完全に轢いてしまうタイミングなことが多々あります。
正直なところ、あれを轢いたと文句を言われてもこちらも困ります。
自分で運転する人間なら尚更のこと「車は(こちらを)見えていない」という前提で行動することが大切です。
その前提がもしも被害者側に有れば、今回の事故が起こることも無かったかもしれませんね。
最後になりますが、この事故で亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。