今日は朝から取引先の人たちが現場にやって来るということで、深夜勤務の私たちがひたすらその準備に追われました。

 

取引先の人たちが来る際、私たち現場の人間が「安全な行動」や「整理整頓」を心掛けるのは勿論ですが、それ以上に大事なことは「ライバル社の製品を見せないこと」です。

あちらからすれば、これだけ大口のオーダーを安定して私たちの会社にあげている訳で、そこでライバル社の製品を作られたら堪らないでしょう。

下手をすれば「取引停止だ!」という事態にもなりかねません。

 

という訳で、今日は深夜の間に幾つかの機械を停め、そこで作っている製品や、その不良品サンプルなども全て現場から消し去りました。

勿論、通常の業務もしながらだったので本当に骨が折れましたね。

正直なところ、たかだか取引先の人が来るくらいで、ここまで神経質になる必要があるのかと思いましたが、よくよく考えれば、あちらの〝機嫌〟を損ねて取引が停止されれば、我が社は存続の危機に立たされます。

ですから、逆に神経質すぎるくらいの準備と対応で丁度いいのかもしれませんね。

 

とは言え、あちらだって大人ですから、心の中ではわかっていると思いますよ。

もしも本当に一社だけに絞って取引をしていたら、その一社が潰れてしまえば、こちらまで〝共倒れ〟になりますから。

まともな会社がそんなリスクを冒して経営をしていないことくらい、あちらも百も承知のはずです。

が、しかし、そうは言っても世の中は些か複雑で「わかっちゃいるけど見せないで」という論理で回っていることが結構あります。

見なければ平和に済む話も、見てしまった以上は大事にせざるを得ないことというのが世の中には溢れているのです。

 

でも、一会社員としては、こうした取引先の来社への準備と対応というのも「社会勉強」の一つですよね。

文字通りのとても大変な夜でしたが、おかげさまでとてもいい勉強になりました。