本日、8月6日は「原爆の日」と呼ばれています。

78年前のこの日、アメリカ軍のB29爆撃機によって、広島に原子爆弾が投下されたのです。

これは人類の歴史上初めて核兵器が使用された瞬間であり、その3日後に長崎にも原子爆弾を投下された日本は、現在でも世界で唯一の「被爆国」となっています。

だからこそ、日本ではこの日になると、しきりに「核兵器廃絶」が叫ばれるのです。

まるで「核兵器を廃絶すれば世界中に平和が訪れる」と言わんばっかりに。

 

しかし、結論から言うとそんなことは有り得ません。

それどころか、地球上から核兵器が無くなってしまえば、再び世界中に〝戦火〟が広まってしまうことでしょう。

お互いが核兵器を保有することによって、核を撃たれる恐怖から結果的に戦争を回避できる「核抑止論」は、決して机上の空論ではありません。

プロレスラーに掴み掛かる馬鹿がいないように、核保有国に戦争を挑む愚かな指導者はこの世に存在しないのです。

そう考えれば、なぜ核保有国が絶対に核兵器を手放そうとしないのかがよくわかります。

核兵器は(少なくとも現代においては)決して使う為のものではなく、保有し続ける限りにおいて半永久的に自国を侵略の危険から守ってくれる〝魔法の杖〟なのです。

 

勿論、実際に被爆された方々はもとより、その二世、三世として広島で生まれ育った方々が「核兵器廃絶」を叫ぶ気持ちはよくわかります。

私が同じ立場でも同じことを叫ぶでしょうし「もうあんな過ちを繰り返してほしくない」と思うからこそ、核兵器を〝諸悪の根源〟として捉えてしまうのでしょう。

二十年前に行った修学旅行では、生徒全員で原爆ドームに立ち寄りましたが、そこで見た凄惨な光景の数々は今でもハッキリと憶えています。

しかし、だからと言って私が「核兵器廃絶」を願うかと言えばそんなことはなく、むしろ世界で唯一の被爆国である日本こそ核兵器を保有して、他国の軍事的な脅威から身を守るべきだと思っています。

それこそが、広島と長崎で起きた悲劇をもう二度と繰り返さないことに繋がると思うからです。

 

ソビエト連邦が崩壊した後、その一部だったウクライナには大量の核兵器が残されていました。

しかしながら、その核兵器をウクライナは「ブダペスト覚書」に従って一つ残らず放棄してしまったのです。

アメリカ・イギリス・ロシアの3ヵ国は、その見返りとしてウクライナの安全を保障することを約束しましたが、ロシアがウクライナに侵攻し、アメリカとイギリスがそれに対して手を拱いている現状を見れば、その約束が守られていないことは明らかです。

国際社会におけるパワーバランスは、核兵器を保有しているか否かによって決まっていると言っても過言ではありません。

もしもウクライナが今でも核兵器を保持したままであれば、昨年から続くロシアの侵攻は間違いなく起こらなかったと思うのです。

 

確かに世界中に存在する核兵器の数は、冷戦時代に比べれば著しく減少しています。

しかし、それを以って世界が「核兵器廃絶」に近付いているかと言われれば、少なくとも私はそうは思いません。

結局のところ、少しくらい数が減ったところで「持つ国」と「持たざる国」の国際社会における〝格差〟は何一つとして変わりません。

もっと言ってしまえば、アメリカやロシアといった大国が核兵器を少しずつ減らすのは、あくまでも〝ポーズ〟であり、その姿を通じて「お前らは絶対に核兵器を持つなよ」と核非保有国を牽制しているのです。

「世界中の核兵器の数が減った!」「また一歩、核兵器廃絶に近付いた!」という空気の中で「うちも核兵器を持ちたいのですが・・・」とは口が裂けても言えませんからね。

 

以上の考えから、私は「平和の為に核兵器を廃絶すべきである」という意見に反対を表明します。

そもそも世界中から核兵器を廃絶すること自体が現実的ではありませんし、もし仮に廃絶できたとしても、それはそれで再び世界中を巻き込んだ大きな戦争が引き起こされてしまうと思うからです。

今、日本の領空や領海は毎日のように他国の脅威に晒されていますが、これも日本が「核保有国」であればまず起こっていないことでしょう。

故に私は、固有の領土や大切な国民の命を守る為にも、日本は核兵器を保有すべきだと考えています。

 

厳しいようですが「核兵器を廃絶すれば平和になる」なんて幻想です。

核兵器による攻撃から身を守る唯一の方法は、自らも核兵器を持つことです。

その考えが理解されない限り、日本はこれからも「核兵器廃絶」を謳いながら、一方では、永久に核保有国の恫喝に怯えて日々を過ごすこととなってしまいます。

そうなっては困るので、是非とも政治家の皆さんには、本当の意味で日本を守る為に「核保有」について真剣に議論してほしいです。

もう二度と、広島と長崎での悲劇を繰り返さない為に。