家の中に一匹でも「アイツ」がいれば、少なくとも二十匹はいると言われます。

目を背けたくなる現実ではありますが、実際に「アイツ」が一匹で生息していることは殆ど無く、何匹もの仲間たちと集団で生息していると考えるのが自然なのです。

とは言え、私たちが目にするのは殆どが「アイツ」が一匹だけの時であり、それだけを駆除してもなかなか根本的な解決にはなりません。

「一匹いれば二十匹いる」という言葉を信じるならば、またいつか必ず「アイツ」が私たちの目の前に現れてしまうからです。

 

しかし、こうした話は何も「アイツ」に限ったことではありません。

私たちが生きる人間社会においても、ほぼこれと同様のことが当て嵌まります。

学校や職場などに一人でも「問題児」がいるならば、それはもう「二十人いる」と言っているのと同じです。

なぜなら、ちゃんとした組織というのは、そうした〝異物〟が入ってこないよう、入り口で選抜した上に、もしもそうした〝異物〟を発見した場合には、即座に目の前から排除するからです。

そうして考えると「問題児」が何食わぬ顔で存在し続ける組織というのは、間違いなくその体制に〝欠陥〟があり、その背後には目には見えない潜在的な「問題児」が多数いることが予想されます。

そうした人間が居心地よく存在できる環境において、同じような人間がわらわらと湧いてくるのは、動物の習性から考えても至極当然なことだと思うのです。

 

ちなみに、人一倍「アイツ」が苦手な私は、あの手この手を駆使して何とか住む部屋から「アイツ」を〝絶滅〟させることに成功しました。

まぁ、実際には部屋中を全てチェックした訳では無いので、もしかするとどこかに潜んでいるかもしれないのですが、それでも私の目の前に現れないのであればとりあえずはOKです。

「アイツ」にしろ「問題児」にしろ「一匹いたら二十匹いる」は私が知る限り事実なのですが、実際に二十匹に〝繁殖〟するまでにはそれなりの時間が掛かりますから、とにかく見つけたら一刻も早く排除して〝繁殖〟させないのが一番です。

しかし、もう既に〝繁殖〟してしまっている場合には根本から駆除する必要があり、それには多大な労力を必要とします。

ですので、なかなか〝絶滅〟に追い込むのは難しいのですが、少なくとも「一匹いたら二十匹はいるだろうな」という心づもりで居た方が無駄な期待をせずに済むとは思います。