人生を生きていると、段々と「幻滅すること」が増えていきます。

最初は憧れから「幻想」を抱いていた人も、次第にその「幻想」を打ち砕かれて現実を理解していくんですよね。

人に幻滅し、仕事に幻滅し、会社に幻滅し、社会に幻滅しながら、それでも私たちは目の前の日々を懸命に生きていきます。

そして、一度幻滅してしまったが最後、もう二度と幻想を抱いていた「あの頃」には戻ることが出来ないのです。

 

しかし、人生において「幻滅すること」が悪いことかと言えばそうとも言えません。

むしろ幻滅するからこそ、私たちは憧れから解き放たれた「本当の姿」を見ることが出来るのです。

そして、その「本当の姿」を見つめることによって、私たちは具体的で現実的な〝戦略〟を練ることが可能となります。

そう考えると、人生の早い段階で色々な事に幻滅しておくことはむしろ必要なことであり、それが後々の人間としての〝深み〟に繋がっていくと言っても過言ではありません。

人生における幻滅とは一種の「挫折」であり、それを真正面から受け止めない限り、自分自身の人生を本気で生きることは出来ないと思うのです。

 

思えば私自身も、これまでの人生で数々の「幻滅」を経験してきました。

特に私は憧れが強い性格なのか、昔から勝手に幻想を抱いてはその度に幻滅するという流れをひたすらに繰り返してきましたね。

おかげさまで、今ではほとんどのことに対して「そんなもんやろ」という感じでドライに受け止められるようになりました。

知り合いに高校生くらいまで「美人のおならはフローラルの香りがする」と本気で信じていた猛者が居ましたが、そんな幻想もきっとどこかで粉々に打ち砕かれていることでしょう。

結局、私たちは憧れがあるからこそ幻想を抱き、幻想を抱くからこそ幻滅をするのであって、憧れなくしては幻滅は有り得ません。

そして、憧れたままでは永久にそこに近付けないことから、私は幻滅によって憧れから解き放たれることは、そこに追い付き、追い越す為の「第一歩」であると考えています。