俳句の季語なら「夏の果て」は7月下旬から8月ごろのことかもしれないけれど、現実には台風10号が去って、やっと夏の終わりが見えてきたかな、と感じる。
猛暑のころは、歩きたくてもなかなか出かける気持になれなかった。
少し気温が下がって、久しぶりにちょっと歩いた。
狩野川の土手にいたイソヒヨドリ(雌)。
今年の春生まれた幼鳥だろうか。なんとなく表情が幼い。イソヒヨドリは割と近くまで行ける鳥だけれど、これも近づいてもなかなか逃げなかった。そのあたりもなんだか子どもっぽい。
ツルボ。
たぶんツルボだろうな、と思いながらGoogleの写真検索で調べてみたら、やはりツルボだった。こういう確認ができるのも、なんとなく嬉しい。
シャリンバイの実。
シャリンバイは、前に住んでいたところの自然観察でよく見た。海辺によく育つ、潮風に強い木らしい。
自然観察をしていた海岸緑地には、ヒカリモの群生地があった。水のたまった洞穴の表面が、ヒカリモの群生によって金色に光ってみえる。通常4月から6月ごろが光る時期と言われているようだけれど、あの緑地では一年中光っていた。
そこでは、カニもよく見かけた。カニが体にヒカリモをつけて洞穴から洞穴へ移動することによってヒカリモの洞穴が増えていく、と聞いたような気がする。私は、ここでメンバーのひとり(カニの専門家)から「ベンケイガニ」という名前を教えてもらった。
シャリンバイは「車輪梅」。葉が車輪のように円形に並んでつくのと、五弁の白い花を梅に見立てて名付けられたとのこと。
キマダラカメムシ。
公園の、何かの葉の上にいた。
カメムシの仲間はとてもたくさんいるらしい。以前、庭のハーブ(ボリジだったかな)の葉の上に、赤と黒の、背の模様がツタンカーメンのマスクのような、ダースモールの顔のような、小さいカメムシが何匹もいた。調べてみると、ナガメという菜っ葉の好きなカメムシだった。
職場から帰るとき、夏の夜は駅の待合室のガラス戸に、キラキラ光る緑色のきれいなカメムシがいた。ツヤアオカメムシというやつらしい。
こんな絵本がある。
鈴木海花 文 はたこうしろう 絵 『わたしたちのカメムシずかん』福音館書店
職場の個人研修で岩手県に行ったとき(新花巻だったか)駅に入っている書店で見つけて、職場図書室の蔵書にするために買った。
全校生徒29名の岩手県の小学校の子どもたちと、校長先生の力でできた絵本なのだ。
冬に越冬のために校舎に入ってくるカメムシ。たしか、本文中には、袋に何杯も集めて捨てた、というような文もあったと思う。
そこで「あら、いろんな種類がいるのね」と言った校長先生。子どもたちは、カメムシを見つけると校長先生に見せに行き、写真を撮り、名前を調べた。そして、カメムシのずかんを作ろう、という思いが生まれてくる。
このときの子どもたちは、カメムシを集めて名前を調べたこと、一緒にやった友だち、校長先生のことなどを、ずっと覚えているんだろうと思った。
新中川(囚人堀)の、海に近い水門。アオサギが止まっていた。
首を伸ばしたところを写真に撮ろうとカメラを向けたら、二声鳴いて上流に向かって飛んでいってしまった。(気に障ったか)