何度かブログに書いた蛇松緑道。昔の貨物列車の線路跡を利用した緑道だ。
前に港の方から歩いたとき何か工事をしているなと思っていたけれど、それが完成していた。狩野川の土手から従来の緑道に通じる広場が整備されている。
ベージュの通路の向こうに暗い木陰を作っているのが、これまでの緑道の港側の入り口だった。
ここを「蛇松町(じゃまつちょう)」というのは、昔このあたりに蛇のように曲がりくねった松の木があったからなのだそうだ。
この案内板に16と書いてあり、右下に15と17の案内板の設置場所の地図があるということは、市内に少なくとも17の、こういう町名由来の案内板があるのだろう。これをたずねて歩くのも面白そうだ。
いろいろな自治体で、同じ町名を見かける。
前に住んでいた茨城県の街でもこの街でも、「旭町」「末広町」など同じ町名があるし、「大手町」や「八幡町」などはあちこちにあるだろう。そう考えると「蛇松町」は、かなり独特だと思う。
町名ではないけれど、昔手話を練習していたとき、ある駅の名前を表す手話が、手のひらで額をたたく、というものだった。その由来は、かつてこの駅にとてもおでこの広い(デコッ八のような?)駅員さんがいたから、というものだった。(手話にも方言があるのかもしれない)
30年以上前のことだから、きっと今は、こういう固有名詞は指文字で表すようになっているんじゃないかなと思う。
蛇松線を走っていた貨物列車の動輪。
車輪と車輪の幅が、思ったより狭い。
きれいに整備され、トイレや藤棚もあるけれど、やはり「できたて」感がある。やがて木陰ができ、草が伸びていくのだろう。
これまでの緑道の入り口に花が咲いていた。
緑道のこちら側は昭和のころに整備され、植えられた木も大きくしげっている。その木の下闇で、ほのかに光るように咲いていた。夏水仙だろうか。
ところどころにベンチやあずまやのようなものが造られている。
そのベンチでくつろぐ猫。
地域猫らしい。耳に避妊手術済の切れ込みが入っている。毛並みもよく、健康そうだ。緊張感なく、すっかりリラックスしている。撫でさせてもらった。
テーブルの中段に、キャットフードと水の皿が置いてあった。
猫の横ではお婆さんが座って、タバコを吸っていた。
「ここで一服して、銀行に行って家に帰るのよ。この猫ちゃんは、アタシが座ってたらいつのまにか隣に来てたねえ」
今回緑道の三分の一ほどしか歩かなかったけれど、そこで三人タバコを吸うお婆さんを見かけた。家では吸うな、と言われるのだろうか。我が家も禁煙の家だけれど。
緑道から離れて、旧東海道沿いを歩いて帰った。
街路樹といっしょに、市の花ハマユウが植わっていた。
ヒガンバナの仲間だそうで、確かによく似ている。
そういえば、近所に白いヒガンバナが咲くところがあって、去年写真を撮った。
ヒガンバナは、花のころに葉は出ないらしい。
「去年」と言っても、このころは荷物を運んで行き来していた時期で、定住してはいなかった。このごろ時間の過ぎるのが早くて、来年の終わり頃には10年くらいたっているような気がする。