昔は、偏差値教育を助長すると言われ、
塾は必要悪であると言われた
そんな歴史がコンパクトにわかる小説だ
僕も学生の頃、
塾講師のバイトをしたことがある
ちょっとかまってあげただけで、中学生の成績はどんどん伸びた
つーことはね
かまってもらえてない子が、多すぎたんだよね
僕の10歳年下、つまり団塊ジュニアは、
そんな放置された子供の集まりだった
「おーい!勉強したかー?」と声をかけただけ
それだけで十分だった
この「みかづき」という小説は、後半部分が絶品だ
団塊ジュニア世代の一郎は、
就職に失敗して、世をすねている
なんとかありつけた、老人に弁当を配達する仕事で、老人の家にあずけられた母子家庭の女の子を通じて、貧困家庭の子供の置かれた現実を知る
そこからがすごい
チャラい団塊ジュニアの兄ちゃんが、
すったもんだの末に、貧困家庭の子供に、
勉強を教えるボランティア団体を立ち上げる
気弱な男だが、
本気を出すと、周りが放っておかない
能力もヤル気もある子供が、勉強もできずに放ったらかしにされている現実に、激しいショックを受けたのだった
と、書くと、
薄っぺらな正義感の話のようだが、
そんなことはない
これ以上は、ネタバレだから書かないけど、、、
ふと、思い出したのは、
「いい女は、弱い男を強くする。
いい男は、強い女を弱くする。」
という言葉だ
ダメな男を、ダメじゃなくすのは、
いつも強い女だなぁーと思う
逆に、肩ひじ張って突っ張る女の、余計な力を抜くのは、強く生きようとする男だなぁー
うまくできてるもんだよね
では、また