月夜の浜辺 中原中也 | ものぐさな春乱のブログ

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休みはいつも散歩してます。

中原中也の詩に

「月夜の浜辺」というものがある


月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
  月に向ってそれは抛(ほう)れず
  浪に向ってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。



こんな詩であるが

なぜか急にその詩が頭の中を駆け巡った



というのも、、、

pachinko

昨日の夜、川崎の繁華街で

パチンコ玉を見つけたからだ

拾ってみた

意外に重いんだなと思った

そうしたら、なぜか捨てる気になれず

かといって持って帰ってもしかたないのに

僕はそれをポケットにいれて帰宅してしまった




パチンコを初めてやったのは高校時代(笑)

チューリップが開いたり閉じたりするやつが好きだった

玉がはじけて消えるのを

飽きもせず、ぼーっと見ていた

初めてだったのに、なぜかよく出て

小さい箱に山盛りとなったパチンコ玉を景品交換

タバコをワンカートンもらったっけ

数字や絵柄が三つ揃えるタイプのは、なんだか好きになれなくて

だから、そればっかりになってしまった頃から

僕はパチンコ屋に行ってない




今、この1cmほどの銀色の玉を見ていたら

苦い思い出がこみあがってきた


家に帰りたくなくて

街をさまよっていた

あのころの、、、




月夜の晩に、拾ったボタンは
指先にしみ、心にしみた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?