僕の実家のすぐ近くには、長い階段のある家がある。
子供のころは勝手に侵入して、この山のてっぺんまで、よく行ったものだ。
そこまで行くと海が見える。
いきなり目の前に広がる江ノ島と七里ヶ浜の景色に、感動したものだった。
今、入ったら住居不法侵入で逮捕されてしまうので、
もう見に行くことはできない。
日々、薄らいでいく記憶の中でしか、もうあの景色を楽しむことはできない。
この階段の先の家には、2歳ほど年下の女の子が住んでいた。
しかしある日、大きなトラックがやってきて、彼女は引っ越して行った。
足が動かなくなる病気になったから、引っ越すのだと聞いた。
たしかにこんな階段、毎日上り下りなんて、不自由な体では無理だろう。
実はわりと最近、あの子の夢を見た。
「足が治ったから、戻ってきたよ。」と夢の中で彼女が言っていた。
そして、ひょいひょいと軽やかに階段を登って行く。
「よかったね!。」と階段の下から叫ぶ僕は、嬉しさでいっぱいだ。
僕も彼女も、夢の中では子供だった。
目が覚めて、その夢が思い出されたとき、どうにもやるせない気分になった。
もう会うこともなくなって40年以上経つ。
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なんだか最近、夢を覚えてるな~。
たぶん熟睡できてないんだろうな。だるい。疲れた。
禁酒しようかな。。。