気がつくと、朝になっていた。
「ぅ…… は!?」
焦って起きた。
服は…もちろん着ていた。

いや、何もやってないから。
「ん…… レンくん…」
加奈が起きそうになった。
この状況はいくら何でも……

俺は急ぎながらも静かに部屋を出た。
「あら、そのまま寝ちゃったのね」
下では加奈の母がいた。
「えぇ、ちょっとシャワーを借りていいですか?」
「いいですよ。 1階の階段近くにあるわ」
階段近く洗面所を指さして教えてくれた。
俺はその洗面所に駆け込んだ。

駆け込んだ理由は特になかった。
「さて… シャワーでも浴びようか」
俺は服を脱いで風呂場に入った。
もちろん誰もいない。
というより、誰かいる方が少ないと思う。

「はぁ…」
ため息をつきながら軽くシャワーを浴びた。
俺はどうやらため息をよく吐くらしい。
しかし、加奈はなにを考えて抱いていたんだろう。
夢では俺は会えない兄だったのか?
それとも……

俺は加奈に気づかれないように下で待っていた。
別に気づかれてもいいのだが、何となくそうした。
「コーヒーでも飲む?」
加奈の母は右手にコーヒーの入ったカップを持って、俺に勧めてきた。
せっかくだし、貰うことにした。
「ありがとうございます」
俺はありがたくもらった。

「あれ? レンくんもう来てたんだ」
コーヒーをもらってすぐに加奈は来た。
「あぁ、今日は早く起きたから」
加奈より早く起きたから間違いではないよね?
「そうなんだ。 あれ?糸川さんは?」
よく見ると、まだ来ていなかった。
「やぁ、遅れちゃった」
糸川さんが店のドアを開けて入ってきた。
噂をすると意外にすぐ来るんだな。

「あぁ、糸川さん おはようございます」
加奈が頭を下げた。
俺も焦って頭を下げた。
「君たちは本当に兄弟みたいだね」
糸川さんが近くの席に座った。

「んじゃぁ、すぐに準備してきます」
加奈が準備をしにまた2階に行った。
「爛崎くん…… 昨日の加奈はどうだったかい?」
「え? あぁ、なんか姉みたいでしたよ。 『レンくんは弟なんだよ!!』みたいに」
気づくと微笑んでいた。
俺はどうやら加奈のことを姉として好いているらしいな。

「準備が出来ました!!」
加奈はすぐに準備して降りてきた。
しかし、俺を見てため息を吐いた。
「レンくん…… 少しはおしゃれ位しようよ」
おしゃれ? 昨日の格好のなにが悪い……
「そうだね。 今日の仕事はモデルだからそこで服を借りよう」
そして俺たちはあるビルに向かった。