朝になり、登校する…
いったい何のためにやるんだ? と俺も考えたことがあるが、結局馬鹿にならないためになった。
俺はまだまだ馬鹿らしい……
 
「グフッ!!」
横の曲がり角で何かが腹に直撃した。
俺は後ろへ盛大に飛んだ。
「痛たぁ……  すいません」
角からぶつかってきた人物が出てきた。
あれ? どこかで見たことあるような気が……
「私急いでいるので!!」
そういって走っていった……
「何だったんだ?」
俺は事の有様が理解できないまま、立ち上がった。
 
「あ…」
そこにはヘッドホンが落ちていた。
色は…淡いピンクに星のマーク……
俺はカービィしか思いつかなかった。
「仕方ない…」
警察に届けるのも、放課後に回そう。
今日は雨が降りそうだ。
 
……
 
放課後になり、いきなり雨が降ってきた。
クラスでは天の神に向かって大ブーイングが起きた。
そんなことをしても意味のないことを知っているはずなのに……
「爛崎ー 傘を貸してくれー」
「一ノ瀬…… お前は俺が濡れてでも濡れたくないのか…」
「俺が濡れなければそれでいい(笑)」
(笑)は一ノ瀬がふざけていっていたからつけた。
「絶対貸さねぇ(笑)」
「なら相合い傘でいいや(笑)」
「俺今日は警察署に行くから」
そう言って俺は一ノ瀬と別れた。
 
今考えれば、何でこんな頻繁に警察署に行くんだろう
落とし物くらいなら交番でいいはずなのに……
学校の近くに警察署があるからか?
 
そんなことを考えてたら警察署に着いた。
そこでポスターを見た……
「!?……これ…」
俺は知っていた。 このヘッドホンの持ち主は…
「あ!! 居た!!」
後ろから甲高い声が聞こえたと思ったら、女がすぐ近くにいた。
やはりあいつだった……
「加奈ちゃん待ってよー」
後ろからその子のマネージャーが来た。
この一見じゃじゃ馬が時のアイドル、星野 加奈(だった気がする)らしい……
「あなたのせいで調子狂っちゃったじゃない! どうしてくれるのよ!!」
出会い頭で逆ギレとは、じゃじゃ馬じゃなくて暴れ馬かもしれない。
しかし… 俺はなんて言おう……
「あぁ、ごめん……」
「ごめんじゃすまないよ! まだスペアがあったから良かったものの…… 無かったらどうする気だったのよ」
逆ギレもここまで来ると呆れて物も言えないな。
「はぁ… お前はまず、ぶつかったことについて謝んないんだな」
「あれは急いでいたからいいの!!」
あぁ…自己中も混じってるんじゃ重傷だな……
「あのぅ…… 加奈ちゃん。今日はもうオフなんだから、じっくり何処かで話したら?」
「何でこいつとじっくり話すのよ!!」
「加奈ちゃん… あれを見て……」
「あ… 分かったわ…」
なんか分からないやりとりで、俺たちは何処かに移動した。
 
たぶん着いたのは隠れ家レストランだろう……
「さっきは失礼いたしました。  私はマネージャーの糸川です」
席に着くと、いきなり挨拶をされて戸惑った。
「いえ、別に急ぎとかないんで…  何があったんですか?」
「あれはパパラッチ  目障りな連中よ」
パパラッチがいたのか……  分かんなかった。
「所で? あんたヘッドホンは持っているんでしょうね?」
「あぁ、これだろ?」
俺はバックからヘッドホンを出す。
「持っていなかったらぶん殴ろうとしたのに… 残念ね」
そう言いながらも、ヘッドホンを取って耳に付けた。
「さっきは怖いこといってごめんね?  私、ヘッドホンがないと人格変わっちゃうんだ……
気にしないでね。 あと、ヘッドホンありがと」
……
一瞬心を奪われそうになったが、やはりあのじゃじゃ馬が思い出される。
「はぁ… どっちが本性なんだか…」
「こんな性格なんで、大変なんですよ…… 今回はありがとうございました」
そう言ってマネージャーが席を立とうとしたとき
 
「ちょっと待ってください……  お礼ぐらいしてくれてもいいんじゃないんですか?」
俺はヘッドホンをつけて会話をし始めた。
俺もヘッドホンをつけると性格が変わる。
というより、基本チャットやるときいつもヘッドホンをしているから勝手に変わる。
「君もなのか……」
「えぇ、腹違いの弟として芸能界を見せてもらえますか?  もちろん、邪魔はしません。 手伝いもします」
「どうしていきなり…」
「見てみたいんですよ。 芸能界を……」
本当は違う。  ただ逃げたかった。
現実から、そしてチャットから……