いつ見ても空は続き、分かっていてもわしは何度も見上げてしまう。ぽっかりと空いてしまった心の穴を必死に埋めたいがために
この世界は突如現れた、身につけることで特殊能力が簡単に得られる石、『異能石』を巡って争いが絶えることはない。わしもその被害者じゃ。わしが住んでいた街に能力者が襲撃し、幼くして両親が連れ去られてしまった。異能石を持たない人は非能力者と言われ、今や貴重になっておる。まぁさしずめ人体実験に使うのじゃろう。わしは母に隠されていたため難を逃れることが出来たのじゃが、次に待っていたのは死と隣り合わせの毎日じゃった。
異能石以外にも食料、金、武器とあらゆるものを巡っても殺し合いが絶えない。わしもやり過ごしながら明日を生きるのが精一杯じゃった。眠れぬ日もあった。この『世界』で生きていくために知恵を、体を、技術を磨かなければならなかった。それも全ては生きるために。
じゃがそんな毎日も地獄というわけではなかった。月を重ねていくうちに同じ理由の子供と出会い、共に生活するようになっていった。気付けばわしの周りには10人くらいいた。まるで家族みたいじゃった。かけがえのない家族。死と隣り合わせであってもあの日がくるまでは、幸せじゃった。
そしてあの日・・・わしが13歳の誕生日の日、能力者のグループが襲撃してきた。わしは不覚にも人質となってしまった。わしを助けるために戦おうとするが次々と目の前で殺されていった。あの時の事をわしは一生忘れることはないじゃろう、あの光景を、そして失った何かを。
かけがえのない家族が殺されてからもう2年が経つ。わしは今1人・・・いや、家族が打ち直してくれたが何故かファンタジっくな形になってしまったこの大剣と共に毎日を過ごしておる。幼き頃とは違いわし1人でも数十人が相手になろうが数分で肩がつく。例え能力者相手でもじゃ。
そして今日も空を見上げる。ただただ色を変えていく空を見る。星が綺麗に見えるくらい暗くなると魅入るように夜空を見る。心も体も溶けてなくなってしまいそうで・・・
あの日がわしをここまで変えた。