「今回も仕事を受けてくれてありがとう。これが報酬だ、少ないかもしれないが受け取ってくれ」
「なに、お主とわしとの仲ではないか。この後も仕事が立て込んでおるからしばらくは仕事を受けられぬ。わしもここは恋しいから次来た時は主行きつけのバーで奢ってくりゃれ。それでチャラじゃ」
「相変わらずだな、分かったよ。体壊さない程度に仕事頑張れよ」
「うむ、それじゃさらばじゃ」
わしは剣の腕、技術、知識、顔の広さからよく仕事を持ちかけられる。内容は様々じゃが最近は用心棒と言ったのが多くなった。理由としては各地で再び村が出来上がっているからじゃ。散らばってもいずれ誰かが声を上げ、群れをなし、自然と村が出来上がる。安定するまで支援するのも珍しい話ではない。わしも幾つかの村が安定するまで支援をしていた。そして何故かその頃に能力者が襲撃してくる。それに備えて村は用心棒を雇ったりする。わしはその中でもトップに入るらしく、よく用心棒として雇われ、能力者を追い払っておる。今回も例外ではない。
「あ~・・・疲れたのじゃ。1週間の用心棒の仕事・・・最後3日間殆ど眠れてないから眠くてたまらんわい・・・」
能力者が来るか来ないかで用心棒の仕事の難易度としんどさが激変する。今回の場合3日目に襲撃、誰ひとり連れて行かせず追い払ったが派手に暴れたおかげで村へのダメージが大きく、後は復興の手伝いをさせられて殆ど眠れなかったのじゃ。実際こういうのも少なくはないがこのしんどさはなかなか慣れないものじゃ。ぶっちゃけ事務をしてる方がマシだったり。
「まぁぶつぶつ独り言を言っても仕方がない。アジトに戻ったら水浴びでもしてとっとと寝るかの。それが一番じゃ」
そうともなれば早く楽になりたいと体にムチを入れて我が家兼アジト(従業員はわし一人じゃ)へと急ぐ。アジトはここからそう遠くはない。いつも通り何事もなくアジトに帰れる、そう思ったのじゃが・・・
「だ・・・誰か助けて・・・!」
この一言を聞き取ったのはほんの前触れに過ぎなかった。そう、わしの人生は大きく変わってしまう前触れにの