ミッシングを見て来ました

先日、映画「ミッシング」を鑑賞して参りました。

テレビの取材等で、石原さとみさんのこの作品への

入れ込みの凄さがハンバなかったので、

これは絶対に見るべきと思い、鑑賞に行きました。

お話としては、ある地方都市で、ある家族の幼い一人娘が

失踪する。そして、見つからずに３か月経ってしまう。

両親は必死に街頭に出て、情報提供をチラシ等で求め

地域のTV局も協力して、両親等に取材を重ねていく。

しかし、時が経つにつれ、当然の如く、TV局の応援は減り、

失踪当日の母親のちょっとした落ち度も、明らかになり、

ネット等での攻撃も増えてくる。

特に、迎えに行くはずだった母親の弟の不可思議な言動が

この弟を、様々な形で追い込んでいく。

憔悴していく母親と壊れかけていく夫婦関係、

限りなく怪しい弟の言動の本当の理由は

っという感じだった思います。

ともかく、真面目で真っ正直、じりじりするような重さで

ずっしりずっじり腹の底に押し沈めていくような作品でした。

なかなか捜査情報を出してこない警察も含めて、

ちょっとした周りや見知らぬ人の悪意や善意で、

右往左往する母親の感情の揺れに

じっくり重い気持ちで鑑賞していました。

特に、映画中盤での、母親役の石原さとみさんの

半年の節目のロングインタビューは凄かった。

自宅でカメラに向かって、現在の心境を話すのですが、

壊れてしまった自分の心や行動を吐露し、

失踪時の自分の落ち度を懺悔していくのだが、

これ、実際にTVのドキュメンタリー映像で見ていたら

絶対に忘れられない映像になると思う。

さらに、このあまりの緊迫感のある空気に耐えきれずに、

カメラマンが思わず絶対やってはいけない軽口を突っ込む

その、一瞬に凍り付いて、理解できないさとみさんに

警察から、娘さんが発見されましたと電話が入る。

心を無くしてしまったさとみさんは、警察に駆け込むが

刑事はそんな電話はしてないという。デマだった。

さちみさんは目を剝き、あわわと腰が砕け、失禁してしまう

あまりの構成や仕掛け、演技の凄さに泣く事もできず

只々、唖然としてしまった。

完全に、心を無くして、ベッドに突っ伏して泣く石原さんの

後ろ手になっている手に、青木さんが軽く手を握るシーンも

良かったです。

人の想いに真っ向から取り組んだ凄い映画。

映画の中での、ちょっとした言動が

弟の人物像や不可思議な言動に繋がっているのも圧巻。

石原さとみさんの覚悟を決めた演技は期待以上。

只々、集中して鑑賞しているだけだった。

ちょっといい人過ぎる旦那さんの青木崇高さんは

石原さんの隣でかすんでしまったような気がする。

弟の森勇作さんは「鎌倉殿」で見かけたような気がするが

ずっと不気味に耐える姿が良かったです。

ただ一つ難点があるとすれば、石原さんの弟に森さんって

あり得ないでしょ、ってな事だけ。

とことん人間を描く事に挑戦して、心に刻み付けられた

見応えのある素晴らしい映画でした