中尊寺金色堂展を見て来ました | 意外と儚のブログ

中尊寺金色堂展を見て来ました

先日、上野に行って、東京国立博物館で開催された

建立900年 特別展「中尊寺金色堂」を鑑賞して参りました。

 

中尊寺を建立した、奥州藤原氏にはそれなりに

思い入れがあり、大河ドラマ「炎立つ」にはドハマりし、小説

(原作者の高橋克彦さんはビートルズに会いに行った

初めての日本人として有名)は、きちんと読んで、

4日ぐらいかけて、平泉周辺を散策し、

その後、白河の関や阿津賀志山防塁、後三年の地を

廻って、ぐるりと東北を走り、

何故か発掘したての三内丸山遺跡や恐山にも

行ってしまった。

 

という事で、それなりに期待して鑑賞しようと思ったが、

なんと入場まで70分かかると解り、

19時まで鑑賞できる金曜日に予定を変えて、上野に向かう

 

15時に到着したが、やはり70分待ちの行列があり、

常設展で時間を費やす。

常設展はインバウンドの方々で大盛況、

16時過ぎぐらいに、10分待ちになったので、列に並び入場

 

 

BSの紹介番組で、中尊寺境内内をデジタル処理し、

外から中まで、縦横無尽に鑑賞するという企画があり

そのエッセンスでも楽しめればと思っていたが、

それは全く空振りで、結構がっかり。

 

しかし、混んでいる狭い会場には中尊寺金色堂

中央壇上の国宝仏像11体がそろって展示され、

奥州藤原氏の文化度の高さを十分示してくれている。

 

東北の地は、3回、大和朝廷から離れようとした事が

あるという。

初回は、この金の産出と大陸との十三湊での貿易で

莫大な富を背景にした奥州藤原氏。

次が戦国時代、遅れて世に出た伊達政宗。

最後が、幕末の奥羽列藩同盟の戦い。

その自分達の独自の文化を示そうとした気概が感じられる

企画展だったと思う。

 

どの仏像も楽しめたが、自分的には餓鬼を踏む

持国、増長の二天像でした。

殺戮を繰り返した前九年後三年の戦いの

荒ぶる霊魂を鎮撫する目的で造像された方々だと思うので

穏やかな表情が多いなか、動きの多い二天像は

やはり目につきます。

 

金で彩らて、華やかで神々しい方々を鑑賞していると、

奥州藤原氏三代の栄衰が浮かんできて、

現代日本との関係も浮かんできました。

たくさんの死者を出した上に黄金文化を築き上げた

初代清衡。

その文化を発展させ、平和を謳歌した2代基衡

平氏という強大な軍事政権をけん制する為

敗者源氏の義経という源氏武器を手に入れ、

もしもの時に対抗しようとした北の王者3代秀衡。

平氏を倒し、野望に燃えるならず者集団源氏に付け込まれ

なすすべもなく崩れていく、平和ボケの4代泰衡。

 

先の戦争で多大な死者を出したが、米国の傘の下

奇跡の復興を成し遂げた昭和時代。

バブル等も経験するが、技術力の高さを発揮して

平和を謳歌する平成時代。

軍事大国隣国ロシアが、ならず者だという事がはっきりし、

自分を守るために軍事強国を目指す北朝鮮、

太平洋に出る海路を確保したい中国、

この国境を接する3国に対抗する為、武器を生み出す事を

決断した令和の時代。

この流れだと、次の天皇の時代、

平和ボケの日本は滅んでしまうのだが、

そうならない事を切に願う。

 

 

色んな想いも浮かんでくる企画展でした。