宮城県岩沼市末広1丁目2−11
Noodle shop nanairo

今日、ラーメンを食べる前までは、△(大穴)評定でした。正直なところ、「Noodle Shop Arakawa」が殿堂入りによりランキングから抜けて、その票が流れたとして厳しい、という予想でした。今日、実際にラーメンを食べてみて、○(優勢)以上に判断が変わりました。オープン当初より、だいぶラーメンとして、ブラッシュアップを遂げられた印象です。
また、食券を買うまでに、結構、「ところで何がオススメなの?」という会話を耳にしまして…。参考になれば、と、券売機の写真からのスタートです。
ちなみに、「TBCラーメン王子グランプリ2024」1位の品は、「貝だし塩」です。また、「ラーメンWalker2025宮城」で推されている品は、「貝つけ麺」です。夏、暑い日も多かったせいか、スープオフの「貝油そば」もXのタイムライン上で多々見かけた気がしました。


麺は、麺肌白めですが、全粒粉のホシが立った細麺です。と言うと、「ザクザク食感でしょ?」、「パツパツ系でしょ?」と思ってしまいますが、かなりクラシカルな食感の麺です。どちらかと言うと、モチモチ系です。麺帯は、結構しっかり鍛えられていて、コシと小麦の旨味が強いです。自家製麺ならではの個性と旨味があります。
メンマは、細切りの薄炊き仕上げな感じです。さっぱりとした味付けで、食感が絶妙。どことなく、別アプローチではありますが、オーナーさんの修行先の「いぶし」に近いものを感じます。
チャーシューは2種類。やや大きめな鶏むね肉チャーシューは、シンプルな味付け。たぶん、塩仕立てだと思います。豚肩ロースチャーシューは、オープン当初は低温調理だった気がするのですが、今は煮豚に近いような気もします。火加減の問題でしょうか?ただ、どちらにしても、タレの風味が豊かな美味しいチャーシューです。
三つ葉も良い香りのアクセントになります。
一番ブラッシュアップされたのは、スープです。貝のパンチがあって、「ラーメンならこうでなくっちゃ!」な仕上がりです。オープン当初は、特選素材の蛤を生かすために、貝出汁感は、かなりおとなしめだった記憶でした。それが、今回、食べてみたら、貝出汁のパンチが厚く、鶏油?がバターのようにコクを深めているような、スープになっていました。
もちろん、特選素材の蛤はしっかり入っているのですが、しじみやムール貝などによって、貝出汁要員が複雑化されており、ラーメンらしく大きな進化を遂げた印象です。
ここが、ラーメンの難しいところなのですが。賛否は分かれると思います。蛤を求めてしまうと、今の仕様だと、貝が強過ぎるように感じる方もいらっしゃるかもしれません。蛤と言えば、お吸い物のイメージが、まだまだ強いかなぁ?
そういう事情もあってか、お店でも、「貝だし」と表記されているのだと思います。ただ、ちゃんと、特選素材としての、産地直送蛤は、バッチリ使用されていますので、温かく見守りましょう!
ということで、総評。このお店に関しては、「TBCラーメン王子グランプリ2024」で評価されて良かった、と思います。今までが、過小評価され過ぎていた可能性があります。東京の最先端の貝出汁ラーメン、「ほたて日和」を、宮城県版で蛤で表現されたのかな?違うかな?
若い感性が光る、上品なラーメンでした。
麺:自家製麺。全粒粉配合のモチモチ感のある、柔らかめながら旨味が深い麺です
スープの方向性:産地直送蛤を中心とした貝の合わせ出汁。動物系は入っているとすれば、鶏だと思います。蛤、しじみ、ムール貝などの合わせだと思います
タレ:塩ダレだと思います。少し白醤油系も感じるような気もします
油:おそらく、鶏油でしょう