冷たい中華そば(2024年7月−8月限定)


麺:存在感のある太麺。ゴワゴワ系、ワシワシ系、モチモチ系共存。
タレ:醤油。円やかなしょっぱさ。
スープ:煮干し(カタクチイワシ主体)。じんわり動物系清湯?
油:たぶん煮干しの香味油
具材:刻み玉ねぎ、メンマ、豚ももチャーシュー、千切り大葉、刻み生姜
価格帯:やや高め

 現「麺牛ひろせ」の広瀬さんが「みなもと屋」店長時代に構築した「煮干し中華そば」を、広瀬さんのバトンを受け継いだ当時の店長の後藤さんが冷やしにして提供しました。それを前店長の現「麺屋ぎぎ」の今野さんが継承し、現店長の岡崎さんがこの度、煮干し高騰の最中ではあるものの、こだわりを持って復刻した、という流れで現在提供されている、「冷たい中華そば」。上品な引かれた繊細な煮干しだしが、岡崎さんの個性だと思います。


 チャーシューは、現在の豚バラチャーシューではなく、懐かしの柔らかい豚ももチャーシューです。塩角はないですが、以前より味が濃くなったでしょうか?
 メンマは甘さ、しょっぱさがバランス良いクラシカルな仕上がりのものです。粗めに刻んだ玉ねぎと生姜、千切りの大葉が、スープにサッパリ感を後半、もたらしてくれます。

 麺は、存在感のある太麺でゴワゴワ系・ワシワシ系ですが、モチモチ感もあります。冷やしでこの麺は嬉しいです!
 硬過ぎず食べ手も選ばない太麺です。

 スープの煮干し感は繊細です。エグみは皆無、ビター感もほぼない、上品な仕上がりでした。以前のみなもと屋の中華そばを求めると、少し煮干し感不足に感じる人もいるかもしれません。煮干しのビター感をどこまで求めるか、難しい問題です。

 そして、この繊細な煮干し感ゆえに、大葉と生姜のサッパリ感が合うのかも?しれません。

 「とがしグループ」代表の冨樫さんが、「煮干しを味わいたいなら、大葉と生姜は抜いた方が良い」といった見解を述べていますが…。僕は、大葉と生姜が、煮干し感を邪魔しているようには思いませんでした。強いて言うなら、粗め過ぎる刻み生姜が、繊細な煮干しだしとぶつかったか?と思います。おろし生姜ならピタッとこのスープにハマったかもしれません。

 この「冷たい中華そば」は、後藤さん発祥の、代々店長さんの個性が加えられつつ続いてきた、「みなもと屋」の夏の風物詩です。今年も食べられて嬉しく思います。