痺辛(土日限定)




 麻辣系の担々麺仕様のメニューです。しっかり辛いですが、やみくもに辛いだけではなく、スパイスが香り立つ旨辛です。辛いのが苦手な人は注意が必要ですが、チャレンジしてみる価値がある旨味があります。山椒による痺れも以前よりは優しくなりましたが、しっかりと痺れも感じます。こちらもただ痺れるだけではなく、ベーススープのほのかな魚介感が、山椒の香りを引き立て、味の奥行きがあって面白い1杯です。

 ベースのスープとかえしがしっかりしているからこそ、様々なアレンジが効くのだと思います。「味噌」は山椒の痺れが特徴、「伽哩」は特製中華カレーの「伽哩醤」のコク味が特徴です。

 茹でたニラは、ラーメンでは珍しいトッピングですが、すごく良い仕事をします。「中華料理系の火を通したニラは旨い!」の法則。"痺れ"の箸休めに、茹でたニラの甘みが良い感じです。

 スープはサラッとしてますが、旨味が詰まっています。芝麻醤は控えめかゼロだと僕は思います。担々麺仕様なのにサラサラなのが特徴です。

 山クラゲがメンマの役割を担っています。全体を邪魔しない名脇役な塩加減です。炸醤(肉味噌)は粗めの挽き肉なのが珍しいです。甘じょっぱく旨い、チャーシューダレによる?味付けだと思います。

 細麺はパツパツ麺です。ただ、むやみに硬いだけではなく、小麦の旨味や食感が素晴らしい逸品です。ミシュランガイドでビブグルマンに選ばれ、掲載されたメインのメニューは、醤油だったと記憶しております。「醤油」と「痺辛」が細麺で、「味噌」や「伽哩」が太麺です。どちらの麺も素晴らしい出来なのですが、この細麺の小麦の旨味・食感が、ミシュランガイドの調査員の心に響いたのではないか、と僕は思っています。