先日、部屋の掃除をしていると…
一通のハガキがでてきた。
そのハガキは現在の仕事を始めたての頃、
出張施術にお伺いさせて頂いていたある壮年の方からでした。
俺の年齢の数倍年を重ねられたその方は孫のように接して下さっていました。
施術が終わると…
その方がいつも筆を執られ和まれている、
よく日の当たる窓際にあるテーブルに連れて行ってくれて、
「仕事が終わったんじゃけん、飲んで行きんさい。」
と一杯の温かいコーヒーを入れて下さいました。
ストーブを焚いている火の音が心地よく響き、
お互い会話を交わす訳でもなく、
その温かい空気に和まされていました。
帰り際に、
「寒いけぇ、気をつけるんで。」
と見送って下さいました。
春を迎える頃から、その方から連絡がなくなり、気になりながら月日が経ち、
申し訳なく暑中見舞いのハガキをだしました。
盆が過ぎても残暑厳しいある日に、
ポストを覗くと一通のハガキが来ていました。
「この厳しい暑さに耐えれそうにもありません。」
と死を受け入れたかのように文章が書かれてあり、
そんな時にもかかわらず私の身を気遣って下さっていました。
数日後、
その方がお亡くなりになられた事をお聞きし、
もう一度そのハガキに目を通しました。
筆で書かれた一字一句はあの時、
コーヒーを頂きながら
感じた誠の温かさや生き様が滲み出ていました。
iPhoneからの投稿