蘭陵王置物
海野勝珉
宮内庁
この作品を見た頃、恥ずかしながら絵画や彫刻はかなり見ていたけど、それ以外の陶磁器や彫金には全く興味がなかった。
東京藝術大学大学美術館での展覧会だったと思う。
この作品と対になって、もう1点「太平楽置物」と言う、同じように化け物のような作品がある。これが彫金でできていることが本当に信じられないくらい繊細ですごい。時間が許してくれるのであれば何時間でも見ていたいくらい細部にわたって作り込まれている。本当かどうか、今の技術を持っても再現することができないらしい。たしかに、もしこの作品を作ることができるのであれば、伝統工芸展などで同じような作品が出品されるだろう。
いかに、当時の彫金技術が素晴らしかったかわかる1点。それだけ刀の鍔などに、ものすごい技術が使われていたのだろうと想像がつく。
日本って、鳥獣戯画をはじめ、巻物が何百年も続いるのが、現代のアニメーションにつながっていると思う。またこの彫金という技術が、日本のものづくりへつながっている。日本にとって鉄は、本当に古くから身近にあり、それを日本人だからこそ使いこなしていたのだろうと思う。
日本の彫金の最高峰である。
