洛北修学院村
速水御舟
滋賀県立美術館
私は、日本美術史の中で速水御舟は3本の指に入るくらいの化け物だと思っている。美術家って生涯に1点でも神に近づけるものを残せたらいいと思うが、速水御舟だけは炎舞名樹散椿京の舞妓など残している。速水御舟の凄いのはこのような大きな作品だけではなく、小作品1つとっても、描き込みの質が尋常ではないない。
さて、この洛北修学院村。画家を目指している人間が見たら、この絵の凄さは誰が見てもわかると思う。とにかく、緻密でありながら、木を細かく使い分け、画面全体を青でまとめている。私、青って色って本当に使うのが難しいと思う。ラピスラズリを使用した絵画を何点か残しているフェルメールですら、ちょっと青の主張が大きいように思う。それは北斎のベロ藍も主張しすぎてうるように見える。絵具として使うには、とても難しい色を画面全体に使い分けてこれだけ大きな画面に落とし込むのは本当に化け物。映画、国宝で悪魔に魂を・・・という、悪魔に魂を売らなければこれだけの絵はかけないだろうと思う。
