映画:さらばわが愛 覇王別姫 | 駄目人間のブログ

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ネタバレあります

 

今まで見た映画で、本当に素晴らしかったと思う映画は30本くらいある。その中の1本が、この「さらばわが愛 覇王別姫」。もう何度見たかわからない映画。

脚本、俳優、編集、映像、どれを取っても素晴らしい映画だと思う。上映時間が3時間近くあるにもかかわらず、全く気になら無い。幼少期から絶頂期になり、歴史という巨大な力に翻弄されていく3人。

映画の後半は救いようのない話になっていく。近代中国史は、ラストエンペラーもそうだけど辛亥革命、日中戦争、文化大革命という、恐ろしい時代が何年も続く。この映画も、この文化大革命で危うい関係が破滅に向かっていく。ほんと最後は畳み掛ける様に、蝶衣と小楼の自己批判から菊仙までおよび、菊仙の自殺と最後の体育館で小四が京劇の衣装をきて髪飾りを見ているシーンまで続く。

最初この映画をみた時は、やはり蝶衣の気持ちを見ていた。しかし何回か見ていると菊仙の蝶衣に対しての気持ちが見事に描かれていることに気づく。菊仙が小楼と結婚する時の蝶衣に対しての態度と菊仙が人生の最後にしたことが、蝶衣が大切にしていた刀を渡すのも小楼に対してではなく蝶衣に対してだった。蝶衣に対しての気持ちが要所要所で、とても丁寧に描かれていることに気付かされる。

何度も見てもこの映画のレスリーチャンは、ものすごい演技をしている。あそこまで役に入り切ると病んでしまうのではないかと思うくらい素晴らしい。今まで見た映画で、震えるような演技を見たのは、この映画のレスリーチャンとブロークバックマウンテンのヒースレジャー。

 

10年に1本見れるか見れ無いかと思う素晴らしい映画。

 

余談ですが、この映画を監督した陳凱歌。この映画を見てから、彼の映画を何本も見たけど、この映画に並ぶような映画は1本もない。なので「さらばわが愛」以前の映画を見ようと思って色々探してみたけど未だみることができない。