川端龍子の美術館。芸術家って、どこかの美術館がコレクションしてくれるか、個人で美術館を立てない限り、作品を見る事ができなくなると思う。片岡球子なんか、美術館がないので、まとまって作品を見るのはどんどん難しくなっていくと思う。
川端龍子は、この大田区の自宅兼アトリエの横に個人の美術館を建ててくれたので、こうして作品を見る事ができる。学芸員の話だと川端龍子は皆さんのお礼のために建てたような事を話されていた。
美術館のこと。自宅兼アトリエなので、駅から20分くらい歩くことになる。都内でこれだけの敷地をもっていただけでも、当時かなりの人気があった画家だったのだろうと思う。川端龍子の作品って美術館に行ってもたまに1点見るくらいしか見ることがない。まして川端龍子回顧展も開催されたのも知らない。個人的には川端龍子って、本当に絵に対して真面目に取り組んでいたんだなと感じる。デッサンなんか見ていても、本当に教科書に書いているような構図ですごい勉強になる。
大型の絵をまとまってこうも惜しげも無く魅せてくれるのは、本当にうれしい。展示している絵も、かなり作風の違う絵を展示してくれていて、日本画家として本当に真面目に取り組みながらも実験的な絵を描いていたんだなと思った。
絵を見ていると10時から住居の方を案内してくれるというので見せてもらった。川端龍子が細かいとこまで手を入れたようで、見ていてすごいなと思った。当時のままのアトリエを見ていると、当時、これだけガラス張りで大きなアトリエをつくるだけでも莫大な費用がかかったろうと思う。いかに、川端龍子が自然光を大切にしていたかわかる。
場所が場所だけに数人しか来館者がいなかったですが、学芸員の方の対応が本当に親切で素晴らしい美術館だと思う。
入館料が安すぎると思う。最低でも500円はいただくべきだと思う。美術館を1日でも長く開館してほしいので、入館料を維持費としてほしい。